富田林西口商店会・楠公通り商店会・本町商店会・中央商店会・堺筋商店会・こだわり店「バンリノハル ビアホール」
近鉄富田林駅の徒歩圏にある「寺内町(じないまち)」は、伝統的な町家が連なる風情あふれる地域です。大阪府内で唯一、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されたエリアでもあります。
寺内町にはかつて、銘酒「万里春(バンリノハル)」で知られた造り酒屋「万里春酒造」がありましたが、1983年に廃業。その酒蔵をリノベーションし、2023年11月に誕生したのが、クラフトビール醸造所と「バンリノハル ビアホール」です。
「明治期に建てられた歴史的建造物である酒蔵を活かし、魅力あるビールづくりで新たな文化を生み出したいと考え、再始動に至りました」と話すのは、六代目の石田元孝さん。オープンまでには、多くのボランティアの協力があったと振り返ります。
醸造所には大きなタンクがずらり。“黄金の水”と呼ばれ、豊富な伏流水に恵まれた金剛山を水源とした井戸水を原料に、醸造責任者の南彰三さんが、この土地ならではのビールづくりに励みます。
醸造所に併設されたビアホールは、歴史を感じさせる趣ある雰囲気。ガラス越しに醸造の様子も眺められます。約80席ある店内の一角には舞台を備え、イベントなどにも利用されているのだとか。
ビールはフレッシュな味わいが楽しめるセゾン、ヴァイツエン、アンバーエール、スタウト、ヘイジーIPA、IPA、スモークアンバーエール、ゴールデンエールの8種類があり、今後もさらにバリエーションを増やしていくそうです。
ビールによく合う多彩な一品料理も、千早川のマス料理をはじめ、地元の食材にこだわったラインナップ。ハンバーガーやパスタ、コース料理にも対応しているため、散策の合い間のひと休みから仲間との集いまで、さまざまな用途で利用できます。
「地元の方をはじめ、外国からの旅行者にもお越しいただいていますが、まだ寺内町の存在を知らない方もいらっしゃいます。 “じないまち雛めぐり” “寺内町燈路” “新春・初鍋めぐり”など町のイベントに積極的に参加して、地域を盛り上げていきたいですね」と石田さん。
店舗では醸造体験イベントも計画中。寺内町の新たなランドマークとして、魅力の発信に力を注いでいます。