淡路本町商店街・東淡路商店街・「株式会社 上方ビール」
阪急淡路駅とJR東淀川駅の間、各駅から徒歩約10分の場所にある、築年数60年を超える銭湯。そこには、2019年の創業以来350種類以上ものビールを生み出してきたビール醸造所「上方ビール」があります。
上方ビールでは常に5種類の生ビールと、テイクアウトできる8~10種類程度の瓶ビールを用意しています。「一度作った味は二度と作らない」というのが、代表である志方昴司さんの考え方。そのため、いつ訪ねても初めての味に出会える、一期一会を体験できる場所です。
購入したビールを、かつての湯船や洗い場などに座って、思い思いに楽しむお客様の中には、銭湯ファンや日本文化に興味を持つインバウンドも。「ビールを片手にすると、皆さんすぐに打ち解けます。銭湯という場所がそうさせてくれるのでしょうか」。こう話す志方さんは、「日本酒やワインのようなペアリングが、なぜビールにはないのだろうか」との疑問からビール醸造を学び始めたといいます。
ペアリングを広めるため、上方ビールでは一風変わったビール造りを行っています。水と麦、ホップ、酵母といったビールのベースに、フルーツや野菜、スパイス、ハーブ、鰹節や昆布といったさまざまな食材を組み合わた独自の味を造っているのです。「ペアリングへ向けた味づくりの可能性は無限」だという志方さん。ちなみに、特に美味しいと思ったビールは、文旦やキウイ、トマトを使ったものだったそう。こうした知識を生かしたオリジナルビールづくり体験も、誕生日や結婚式の引き出物、お歳暮やお中元に喜ばれると好評です。
志方さんは、「銭湯というユニークなこの場所で、食事に合うビールづくりにこだわるお客様と一緒に、これからもビールのカスタムメイドを続けていきたい」と語ってくれました。