古書店を巡りながら、「天満の天神さん」の風情を楽しむ
「日本一長い商店街」として知られる天神橋筋商店街。このあたりは「天満の天神さん」として親しまれてきた「大阪天満宮」のお膝元。昔から門前町として栄えてきました。
天神橋筋商店街は、天神橋一丁目から天神橋七丁目にかけて、南北およそ2.6km。三丁目エリアにあるのが天神橋三丁目商店街で、地元では「天三(てんさん)」の愛称で親しまれています。商店街は活気に溢れ、会話しながら買い物を楽しむ地元の人や観光客でいっぱい。近年では古書店も多く、本好きからも注目を集めています。また、「天三おかげ館」と名付けられた12坪のフリースペースもあり、開業希望者のためのチャレンジショップ、サークルの発表展示、キャンペーンイベントなどに使うことができます。
同商店街に南から入るなら、最寄り駅は大阪メトロ南森町駅もしくはJR大阪天満宮駅。北から入るなら、大阪メトロ扇町駅が近くて便利です。めじるしは、阪神高速の高架と「夫婦橋(めおとばし)」のモニュメント。アーケード入口に描かれた、菅原道真公ゆかりの梅の花も特長です。
アーケード街を歩いていると頭上に見えてくるのが、空を飛ぶかのような鳥居のオブジェ。4つの色が塗られており、南から順に「真朱(しんしゅ)」「桔梗(ききょう)」「浅葱(あさぎ)」「萌葱(もえぎ)」と、日本の伝統色が並んでいます。左右に並ぶ店を見て買い物したり、頭上のオブジェを眺めて写真を撮ったり、楽しみの尽きない商店街です。
住所 |
〒530-0041 大阪市北区天神橋3 |
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インフォメーション
所属店舗
商店街インタビュー
商店街を利用される方々が安心して買い物を楽しめるよう、振興組合に所属するメンバーで「規約守り隊」「クリーン隊」といったチームをつくり、定期的に見回り活動を行っています。商品が必要以上に店舗の外にはみ出していれば、店主さんの理解を得て陳列を考え直してもらい、自転車で通行するお客様がいれば、自転車を押して歩いてもらうよう話しかけるなど、商店街にかかわる人々によるこの自発的な取り組みは、公共機関とも連携を取りながら進めています。
「つながる、ぬりえ展」というイベントを令和3年(2021年)から始めています。近隣小学校の生徒の方々にぬりえの原画を描いていただき、商店街近くの高齢者施設に届けて、入居者の方に色をつけていただくという取り組みです。完成作品は振興組合所有の「天三おかげ館」に展示し、展示期間内は生徒さんと高齢者さんがオンラインで対話するイベントも開催しています。ぬりえの原画は、イラスト系の専門学校に通う生徒の方々にも協力いただいています。
16基の鳥居は見栄えだけを目的としたものではなく、実はアーケードを補強する役割も果たしています。少し前には大阪天満宮に続く参道ということをより強くイメージしてもらうために改修工事を行い、石畳のように大理石が敷き詰められた舗装にしました。雨の日の転倒防止にもつながっていると、店主の皆さんや通行人の方々からも好評です。商店街を通るときは、鳥居だけではなく道の舗装にもぜひ注目していただきたいです。
私たちの商店街は地元の方に支えられてきました。時代の流れに左右されるのではなく、あくまでこの場所に通う人たちを大切にし続けたいと、店主たちはそんな想いを抱いています。そのためかどこかアットホームで、昭和を感じさせるようなノスタルジックな雰囲気が根付いていると思います。気兼ねなく何かのついでにぶらりと立ち寄っていただければ、意外な掘り出し物が見つかるかもしれません。気楽にお買い物を楽しんでください。
商店街おすすめスポット
寺町通りと堀川戎神社です。豊臣秀吉が天満地区にお寺を集め寺町の形成を計画し、江戸時代初期に完成した天満寺町は、天神橋筋から東を東寺町、西を西寺町と呼ばれています。この天満寺町は、東西に1.5kmの寺町通が通じ、北側にお寺が40弱連なる寺町です。 そのお寺の中でも成正寺(じょうしょうじ)は大塩家の菩提寺として有名で、大塩平八郎の一族の墓、9墓が残っています。飢餓に苦しむ民衆の苦境を救おうと決起した大塩平八郎は、今もなお、勇気ある大阪の英雄として慕われ、多くの人が香を手向けに訪れます。 その他、緒方洪庵の墓所である龍海寺(りゅうかいじ)などもあります。また、「堀川のえべっさん」と慕われる商売繁昌の神「蛭子大神(えびすのおおかみ)」を祀る堀川戎神社では、毎年1月9日~11日に 行なわれる十日戎(とおかえびす)が有名で、当日は商売繁盛を願う数十万の人々で賑わいます。
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