「猿山新田」の名を残す、名店ぞろいの商店街
大阪メトロ西田辺駅とJR鶴ヶ丘駅が最寄りの西田辺駅前商店街は、西田辺駅を基点として東西南北に広がり、テナントビルなども含め店舗数は約100店舗近くにのぼります。もとは昭和40年(1965年)に地域の商店主の有志が立ち上げたもので、最盛期には約260の店舗がありました。現在は、西田辺駅東エリア、西田辺駅西エリア、西田辺駅北西エリアと3エリアに分かれており、名物店や人気店が軒を連ねます。
西田辺界隈の特色はなんといっても歴史を感じられるまちなみです。江戸時代、当時はサルやタヌキが生息していたと伝わる荒地が、寛文3年(1663年)に地主によって開墾され、「猿山新田」と呼ばれる地域になりました。
明治には田辺村となり、大正に大阪市への編入を経て、昭和18年(1954年)に阿倍野区西田辺町へ。戦後、地下鉄西田辺駅の開業やあびこ筋の開通によって今の西田辺の基礎ができ上がったというわけです。
猿山新田の名残・猿山地蔵尊の裏道は、「板塀の道」と呼ばれる長い板塀が続き、時代劇のような風情を味わえます。一方、大阪の旧街道の一つ・庚申街道沿いやその周辺は昭和の香りいっぱいです。
同商店街では、お店の魅力などを短くコメントした店舗マップと西田辺界隈のお出かけスポットを網羅した「西田辺おでかけマップ」が商店街から発行されています。また、秋の恒例イベントとなった「西田辺&鶴ケ丘まちバル」にも、ぜひ一度訪れてみたいものです。
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〒545-0014 大阪市阿倍野区西田辺町1 |
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商店街インタビュー
商店街のエリアが広くてわかりにくいということで、「西田辺おでかけマップ」を作ってPRに力を入れています。また商店街の活性化に繋がることとして、年に2回、バルを開催しています。 もともと近くにあった大手電機メーカーの方や、御堂筋線の終点が西田辺だった頃に乗り換えのお客さんが、帰宅前の一杯を楽しむ場所として飲食店が集まったのがこの商店街の始まりです。なので、食べて飲んで楽しい西田辺の発信に力を入れています。
長居公園に最近できた北側の入り口が西田辺駅に近いので、大阪メトロ、セレッソ大阪、商店街の三者共同で、駅への動線にセレッソ大阪のフラッグを飾るなど、サッカーの試合後のお客様を商店街に呼び込んで飲食を楽しんでもらおうという取り組みを始めています。また、西田辺のPR動画を作ったのですが、これも好評をいただいているようです。この先は、マスコットキャラクターを作ってPRしたいということも考えています。
市街地で、特に景色とか観光スポットとかはないのですが、とにかく飲食の街、食べて飲んで楽しく歌ってという、それがこのエリアの楽しさだと思っています。 また、ある上方落語の師匠から、天満天神繁昌亭のような演芸の定席をこのエリアに作りたいというお話をいただいています。ある程度大きな場所が必要になるので、それをどうするかという問題もありますが、商店街としては大歓迎なので計画を進めたいと思っています。
駅前の大通りに面している商店街ということで、空き店舗がない、空いてもすぐに入居される、そういう活気のある商店街です。 また、阿倍野地区は大阪の南の端で、このエリア全体を盛り上げようと、西田辺を会場に、秋に「あべのあきない祭」という催しを開いています。ここ二年はコロナ禍で中止になっていますが、今年こそ開催できればと考えています。 楽しいおいしい西田辺に、皆さんぜひお出かけくださればと願っています。
商店街おすすめスポット
休日を過ごすのにぴったりの「長居公園」です。大阪国際女子マラソンの会場となる「ヤンマースタジアム長居」で有名ですが、「長居植物園」で季節の花を眺めたり、約66.12haの広大な敷地を散歩して、疲れたら公園内のカフェやレストランでひと休みする楽しみ方も。「ヤンマースタジアム長居」で有名アーティストのライブが開催されたり、広場で「肉フェス」などのフードイベントが行われたりすることもあり、幅広い世代の憩いのスポットになっています。
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