路面電車で訪れたい、紀州街道沿いの商店街
路面電車がゆったり走るのどかな風景の中に、商店街はよくなじみます。地元で親しみを込めて「ちんちん電車」「ちん電」と呼ばれる阪堺電車(阪堺電軌阪堺線)の我孫子道(あびこみち)駅の周辺には、複数の商店街が展開しています。
安立本通商店街は、我孫子道駅とその次の安立町(あんりゅうまち)駅間で南北に約300mにわたって伸びています。この南側が同商店街、北側つまり安立町駅側が安立中央商店街と、1本のアーケードを共有しています。
従ってアーケード南側の入り口には「安立本通り」、北側の入り口には「安立中央」と記されています。安立町ゆかりの一寸法師キャラクターも共通でご活躍です。
商店街は大阪と和歌山を結ぶ紀州街道に面しており、入り口付近には紀州街道石碑がたたずんでいます。昭和30年代は、堺市方面から阪堺電車に乗って買い物客が押し寄せる、大阪南部を代表する人気の繁盛商店街でした。もちろんその名残は現在にも受け継がれ、イベントやセール開催時には活況を呈しています。
住所 |
〒559-0003 大阪市住之江区安立3 |
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Web |
インフォメーション
商店街インタビュー
商店街のキャラクターとして、一寸法師をモデルに「あんりゅうくん」を作って、PRに使用しています。当商店街は住吉大社の参道に沿ってできましたが、同神社は一寸法師ゆかりの地です。また、昔の安立は針の生産で有名でしたが、その販売に際して一寸法師の針の刀を宣伝に使っていたとも言われています。他に、商店街のイベントとしては福引きや、100円商店街などをしていました。
ネットの時代に対応するために、いろいろな情報発信をしていきたいと思っていますが、難しい面もあります。事務所も含めて、情報発信の基地が必要だと感じていて、そういう組織づくりに取り組んでいきたいと考えています。今後イベントをも計画していて、イベントが単発で終わることなく、それをきっかけにより良い流れを作るべく取り組みます。
安立はさまざまな歴史のある魅力的な地域で、よく見ると歴史を感じられるところが随所にあります。たとえば商店街の街並み。古いお店は中二階になっています。これは住吉大社のお神輿を上から見下ろしてはいけない、ということが由来です。そういう歴史が風景に息づく、「懐かしくてなんかいいところ」というのが安立の魅力だと思います。
商店街で買い物をすることの魅力は、お店でのコミュニケーションだと思います。言葉を交わすことで何か感じることがある、会話をして安らぐ、そんなことができるのは商店街ならではです。下町情緒と歴史を感じることができる安立本通商店街にぜひ一度遊びに来てください。
商店街おすすめスポット
太閤秀吉の時代に整備された住吉街道は、江戸時代には紀州街道となり、門前の安立は住吉詣の参詣道として大変賑わいました。その頃、堺方面から住吉大社に行く際に、 まず手前の手洗橋(てあらいはし)で手を洗い、御祓橋 (おはらいばし)で体を清めてから参拝したと伝えられています。またこの地域が「安立」(あんりゅう)と名付いたのもこの頃といわれ、この地に住んだ半井安立 ( なからいあんりゅう ) という名医を求めて人々が集まり、その名を讃えて安立としたといわれています。 また同じ頃、「みすや針」という優れた縫い針がこの地で作られ、安立の名物となります。そして、その売り口上に住吉大社が物語の舞台となる「一寸法師」のおとぎ話が一役買ったと伝わっています。これが、安立商店街が「一寸法師ゆかりの町」と掲げる所以になっています。
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