桃谷駅前商店街・カルチャー 「つるの橋公園」
JR桃谷駅から桃谷駅前商店街を抜け、東へ徒歩約10分の場所にある「猪甘津(いかいのつ)の橋」古跡、「つるの橋公園」。808を超える水都大阪の橋の歴史を語るうえで、欠かせないスポットです。
猪甘津の橋とは、日本書紀に登場する最古の橋の名称。名前の由来は、「津の橋」がなまった説と、かつてこの地域に鶴が多く群れ集まっていたためという説があるのだとか。 さらに江戸時代・明治時代の史料を読んでみると、この橋の架け替え・改修工事費用はいずれも幕府や国から出されたとの記述が残されています。
実は、大阪の橋はそのほとんどが有力な商人らが私費で架けたもの。公のお金が使われた橋は、猪甘津の橋を含め12橋程度だといいます。この事実からも、この橋がどれほど重要視されていたかが推し量れるというものです。
1940年、旧平野川の埋め立てによって役割を終えた猪甘津の橋。跡地は「つるの橋公園」となり、由緒ある橋がこの土地にあった事実を示す記念碑、橋の親柱4本などが保存されています。石面に刻まれた記録から、知る人ぞ知る橋の歴史を味わうのもまた、ひと味違うまちめぐりではないでしょうか。