トナリエ栂・美木多・こだわり店「Patisserie Bec Sucre(パティスリー ベックシュクレ)トナリエ店」
泉北高速鉄道、栂・美木多駅に隣接するショッピングモール「トナリエ栂・美木多」。ここには地元で人気の洋菓子専門店「パティスリー ベックシュクレ」トナリエ店があります。
「パティスリー ベックシュクレ」本店も、駅から徒歩約10分のところにありますが、トナリエ店のおかげで看板商品であるアップルパイをはじめ、素材にこだわる旬のケーキや焼き菓子などがより購入しやすくなりました。
オーナーシェフの福田純広さんは「アップルパイは、自分のお菓子への考え方を変えてくれた大切な商品」だと語ります。
フランスのパリで腕を磨き、帰国後は神戸にある有名店のシェフ・パティシエとして勤務。そんな福田シェフが、2015年にオープンしたのが「パティスリー ベックシュクレ」です。当時は思うように洋菓子が売れず、苦戦したのだとか。
あるとき訪ねたアメリカ・ニューヨークで、福田シェフは「お客様が楽しめれば、それで良い」という考え方にふれ、衝撃を受けます。
例えばフランスには、『ショソン・オ・ポム(リンゴのスリッパ)』という、折りパイ生地の中にリンゴのコンポートを包み、半月型に焼いたお菓子があります。日本では『アップルパイ』という名前で知られるお菓子です。
「ニューヨークを訪ねるまでは、フランスの伝統にこだわって、『ショソン・オ・ポム』の名前でアップルパイを販売していました。帰国後は、お客様に分かっていただきやすいようにとその名前を『アップルパイ』に変えたのです」。
ネーミング変更のタイミングと、トナリエへ出店するタイミングはちょうど同時期。すると、それまで1日10個ほどしか売れなかったアップルパイが、トナリエ店で500~600個も売れるようになったのです。
大人気の理由は、もちろんその味にもあります。
ずっしりとしたアップルパイからは、豊かなバターの香りが。パリパリした軽い食感のパイに包まれた甘いリンゴのコンポートは絶品で、あっという間に無くなってしまうほど夢中で食べ進めてしまいます。
「素材や作り方、見た目は全く変えていません。お客様に伝わりやすい商品名に変えただけ。『お客様が楽しめたら良い』という考え方が、私の思考を柔軟にしてくれました」。
トナリエへの出店依頼がきた時、福田シェフは「1つ1つのお菓子に責任をもちたいから」と、一度はその打診を断ったのだそう。しかし、地元を代表する店だからぜひ、という熱心なオファーに、心を打たれたと言います。
「多くのお客様が気軽に立ち寄ってくださるトナリエ店のおかげで、店を知ってくださる方が増え、本店を訪ねてくれるお客様も増えました。
こだわりのお菓子を多くのお客様に味わっていただけて嬉しいです」と、笑顔で語ってくれました。