堺山之口商店街・体験 「さかい利晶の杜」
仁徳天皇陵古墳をはじめ、由緒ある寺社仏閣が数多く残る堺市。その歴史と文化をじっくりと学べるのが「さかい利晶の杜」です。
「さかい利晶の杜」は、堺市にゆかりがある歴史上の偉人、千利休と与謝野晶子をテーマとし、さまざまなコンテンツを楽しめる施設です。堺山之口商店街からも近く、阪堺電車「宿院」駅を降りてすぐのところにあります。
ガラス張りの建物に入ると観光案内展示室があり、足もとには江戸時代後期の堺の地図が広がります。壁面には「日本のベニス」と呼ばれた交易都市・堺が、“sacay”と表記された世界地図が掲示されています。
建物の1階には「千利休茶の湯館」、2階は「与謝野晶子記念館」の常設展示があり、年に数回、企画展も行われているとのこと。
「千利休茶の湯館」では、利休と中近世の堺のまちに関わった人々の紹介や、利休がわび茶を大成する前後の床の再現や、発掘された茶道具類の展示があります。
最新型VRゴーグルをかけると、立体的な中世の堺のまち並みが再現されるVR体験「タイムトリップ堺」では、人々が商売をしたり、生活を営む様子が目の前に映し出されます。ゴーグルをかけたまましゃがむと視点が下がり、首を横に回すと別の角度からお店やまちの様子を眺められるVRの臨場感に大興奮。
そんなタイムトリップを満喫した後は「与謝野晶子記念館」へ。晶子が綴った美しい詩歌とイメージ映像に迎えられて奥に進むと、「晶子の装幀」と名付けられたコーナーが。ここにはあざやかな色彩と斬新なデザインで飾られた晶子の著書が展示されています。
晶子が夫・与謝野寛とともに日本全国を訪ねた際の記録を、タッチパネルを使って見られるゾーンも。晶子の生家「駿河屋」の再現展示は、晶子が少女時代を過ごした雰囲気を体感できます。
常設展示のほか、1階の「茶の湯体験施設」では、予約制で立札茶席やお手前体験を実施しています。この体験は、外国人観光客からの人気も高いのだとか。
帰り際には、ぜひ1階のショップ「さかい縁庵」へ。注染の手拭い、古墳の缶バッジ、お菓子といった、堺にちなんだお土産を購入できます。
季節ごとにイベントも行われ、堺山之口商店街のお店も景品提供で協力するなど、地元とのつながりも強い「さかい利晶の杜」。この施設から出発して商店街を通り、堺市の古墳や寺社仏閣を巡るのもきっと楽しいはず。
歴史と文化のまち「堺」を凝縮したような「さかい利晶の杜」。その充実した内容は、子どもから大人まで、歴史ファンもそうでない人も見逃せません。ぜひ、訪ねてみてください。