三津屋商店街・こだわり店「大黒堂・Montor(モンオール)」
「大黒堂・Montor(モンオール)」の創業は、今から100年以上も昔。西国街道の一画だった三津屋の街に、旅人が立ち寄る和菓子店として登場したのが始まりでした。それ以来、ずっと三津屋で和菓子を販売し続けているといいます。
店舗は、向かって右に和菓子店「大黒堂」、左には洋菓子店「Montor」が並びます。入ってみて驚くのは、二つのお店は別々の建物ではなく、一つの建物の中にあり、同じ敷地を有していること。この一風変わった内装には、実は理由がありました。
遡ること約半世紀。前回の大阪万博が開催された1970年3月15日、3代目が守っていた「大黒堂」と、甘味処が同時に火事に見舞われたのです。この火災によって、2つのお店が焼失してしまいました。
当時は、洋菓子への関心が高まっていた昭和のバブル期。店舗の再建時に「大黒堂」は和菓子店、甘味処は洋菓子店「Montor」として再出発を果たしました。この頃はまだ、軒を分けた別々のお店でしたが、2000年を過ぎた頃に店舗を統合。それが、今の「大黒堂・Montor」の姿なのです。
和菓子店と洋菓子店が一つの軒の下で営業しているスタイルは珍しく、初めて来店されるお客様はみんな驚かれるのだそう。
そんな「大黒堂」の名物は、『栗饅頭』『銀杏(イチョウ)饅頭』『淀のきみ』といった焼き菓子です。なかでも『銀杏』は、名前の通りイチョウの葉を模した飾りが特徴で、大阪土産としても人気を集めています。
これらの和菓子を作っているのは、3代目店主。生菓子をはじめ、老舗の伝統を感じさせる上品な見た目と、優しい甘さのお菓子は、すべて3代目が一人で作っています。
時には、四季を感じられる和菓子と共に、ゆっくりとお家時間を過ごしてみるのも、いいものかもしれません。