岸和田駅前通商店街・「岸和田だんじり会館」
300年以上の歴史と伝統を持つ岸和田だんじり祭。全国でも知られる勇壮な祭りの始まりは、江戸時代中期にさかのぼります。1703年、岸和田藩第3代城主・岡部長泰は、岸和田城三の丸に伏見から稲荷を勧請。9月26日・27日の祭礼で、町民の参拝を許したと伝えられています。
そんな町民思いの殿様に感謝を表すため、人々はにわか(即興の芝居)や相撲を取っていたようです。この時、城内へ曳いていったのが、だんじりの原型といわれる長持にコマをつけたもの。その後、時代とともにだんじりの形は変わっていき、現在の岸和田型だんじりの姿になりました。こうした歴史の紹介はもちろん、実際の祭礼映像や体験機会で、岸和田だんじり祭の全てがわかる博物館が、岸和田城のすぐそばにある岸和田だんじり会館です。
展示室の入口すぐにあるのが、1841年に完成したといわれる紙屋町旧だんじり。現役を退いたいまは、フォトスポットとして活躍しています。その奥には、再現された紀州街道の町並みと2台のだんじり。2台のうち一台は、現存する岸和田型最古の五軒屋町旧だんじりで、1804~1829年につくられたと推定されています。
4階の体験コーナーでは、大屋根で舞う「大工方」と、太鼓や鉦を打ち鳴らしてだんじり囃子を奏でる「鳴り物」体験ができます。どちらの体験もタブレットで映像や音を流し、初めての人もチャレンジしやすいようにしています。
あわせて見ておきたいのが、だんじりの精巧な彫り物。だんじり大工と彫物師の匠の仕事を学べる映像ライブラリーや、実際の彫り物が展示されている「だんじりの技と匠」コーナーも見逃せません
だんじり体験を楽しみ、祭りを受け継いできた人々の思いも感じられる博物館で、アクティブな観光時間を過ごしてみてください。