天神橋筋五丁目商店街「天音屋本店」鴻原利雄さん・三起子さん
駅の利用者や買い物客など、多くの人が行き交う商店街の様子を40年以上見てきたのが、天音屋本店2代目の鴻原さんご夫妻。同店は、先代の秀次郎さんが大東市で創業。やがて天六に移転し、昭和55年(1980年)に現在の場所に店を構えました。創業から一貫して北海道産など国産のみを扱う昆布のお店です。
「最近、産地でもいい昆布が取れなくなってきていて、見つけるのが大変です」と鴻原利雄さん。それでも質にこだわり続けるのは「素材を変えると、お客さんが食べたときに気づくと思うんです 」と、鴻原三起子さんは語ります。天音屋ファンの中には、昆布をそのままおやつとして食べる人もいるので、確かに素材には妥協できません。
一方、佃煮や昆布巻といった加工品のラインナップも充実。毎年のように新商品を考案しており、創業当時からの定番人気「しいたけ昆布」をはじめ、現在は100種類ほどもあります。
誠実に、そして工夫を凝らしながら続けてきた天神橋筋5丁目商店街での40年。商店街のさまざまな役職も引き受けてきた二人に、天神橋筋5丁目商店街のこれまでとこれからについて、尋ねてみました。
「地元の人の日々の暮らしに寄り添う商店街でいようと、インバウンド対策も積極的にはしていなかったです(笑)。ここは駅が近いし、天満宮にお参りに来る人も多い。とにかく人がたくさん集まる通りなんです。これからもあらゆる人に来てもらえるような、長く愛される商店街でありたですね。そのためにも、コロナ禍で中止していたイベントやセールをなんとか再開させたいです」と穏やかに語ってくださいました。