大阪市24区のなかでも、外国籍の人々が暮らす割合が最も高いのが、出来島商店会のある西淀川区です。
ペルー人の165人(令和6年3月末時点)という人数は市内でも突出しています。ペルーのほか、パキスタンやインド、中国など、さまざまな国の人々が出来島の周辺で暮らしているそうです。そのなかには、はじめに日本へ移住した人々の子どもである“2世”など、代替わりするほど長く住み、すっかり日本に馴染んでいる人も多いとのこと。
そんな国際色に富んだ街にある出来島商店会は、エリアのあちこちに点在する約80の店舗から成る青空商店街。そのうち約60店舗が商店会の組合に加入しており、うち10店舗は外国籍の方が営む店舗です。
個性豊かな商店会の会長を務めるのは、岩本育也さん。地域の特性を生かし、出来島商店街を貫く通りを「インターナショナル出来島きらきら通り」と名付け、イベントの開催などを通して多文化の共生に積極的に取り組んでいます。
毎年開かれる「出来島きらきらフェス」には、たくさんの国の出店が並びます。
2024年は本格的なステージが組まれ、10組のプロのペルー人アーティストたちによるパフォーマンスでステージと観客が一体に。地域で暮らす人々はもちろん、近隣からも多くの人が集まり、大盛況だったそうです。
岩本さんは、「フェスの前に開催した夏の盆踊り大会にも、多くの外国人が参加してくれました。浴衣を着て、地域の人たちと一緒に輪になって踊るなど、交流の輪が広がったと感じています。きっと大阪・関西万博でも、こうした交流の光景が見られることでしょう。出来島での取り組みが、大阪を活力に満ちた国際都市に押し上げる一助になれば」と語ってくれました。