南蛮貿易で栄えた自治都市・堺、最も古い商店街
中世に南蛮貿易で栄え、自治都市として発展した堺。そんな堺のまちで、最も長い歴史を持つ商店街です。堺山之口連合商店街に沿うようにして、ゴトゴト走っているのが通称“チン電”。大阪府下で唯一残る路面電車です。最寄り駅は、阪堺電気軌道の大小路駅もしくは宿院駅。昔懐かしいチン電に揺られてのんびり訪ねれば、ノスタルジックな雰囲気を味わえます。
このあたりは、「開口(あぐち)神社」の門前町として発展したエリア。開口神社は今も、地元で「大寺さん」と呼ばれ、親しまれています。
江戸時代には近くに、「大寺芝居」と呼ばれる芝居小屋ができ、飲食店や呉服店などが登場しました。人々が集まるにつれて店も増え、次第に商店街が形成されたのです。
同商店街には、そんな歴史を思わせる呉服店や昔ながらの飲食店などが並ぶ他、カフェやギャラリーなどもオープンしています。印象的なのは、大きな鳥居。開口神社と商店街が直結していて、お買い物途中にお参りすることができます。
近くには、茶の湯を大成した千利休の屋敷跡や、歌集『みだれ髪』で有名な与謝野晶子の生家跡もあり、二人の功績を紹介するミュージアム「さかい利晶の杜」では、展示や茶の湯体験が楽しめるなど、同商店街を起点に堺の歴史や伝統に触れられます。
住所 |
〒590-0954 堺市堺区大町東1 |
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インフォメーション
所属店舗
商店街インタビュー
近年は空き店舗対策に力を入れています。当商店街と、まちづくり市民活動団体の「大小路界隈『夢』倶楽部」が一緒になって、これまでに空き店舗を活用してカフェや生涯学習の教室、子育て支援施設の設置などを行ったり、新たに商店を入れたりしてきました。それと同時に、大阪府立堺工科高校定時制と一緒に子どもの仕事体験イベント「ゆめ・チャレ」を開催したり、観光誘致を視野に入れたメディア発信なども行ってきました。
これまで空き店舗対策、多数のイベントを実施してきましたが、今後インバウンドが戻ってきたときのことを考えて、今は観光関係について、てこ入れを進めています。開口神社の狛犬を招き猫に見立てた商店街のマスコットキャラクターをつくり、オリジナルのキャラクター商品を開発しました。インターネット販売も考えてはいますが、まずは商店街に来てほしいので、ちゃんとお店に並べる予定です。メディア発信も引き続き行っていくつもりです。
門前町独特の雰囲気に心が引かれます。商店街の端から端まで、宿院頓宮、開口神社、天神さん(菅原神社)と神社が並ぶのですが、これがなかなか珍しくて、神社のさまざまな行事もあいまって多くの人を呼び寄せるのです。今後のインバウンド復活を考えると、ここを軸にして盛り上げていけそうです。商店街の生産者さんたちの工場で「ものづくり体験」もできますから、いろいろ組み合わせれば非常に魅力的なスポットになると思います。
これはまだ構想なのですが、この界隈をパビリオンが並ぶテーマパークのようなまちにしたいと考えています。名付けて「堺伝統リゾート計画」。例えば商店街の店舗で「ゆめ・チャレ」のような手づくり体験ができるといった、「体験」を重視したテーマパーク的な存在になれば、「来て、見て、体験できる」観光スポットになることができるでしょう。堺の観光資源と伝統産業をうまく活用できれば、それも夢ではないと思います。
商店街おすすめスポット
開口(あぐち)神社ですね。千利休や、堺の会合衆らが寄進・修復を行ったといわれる堺の中心的な氏神様です。神功皇后のご命令で建立されたと伝えられる神社で、塩土老翁神、素盞嗚神、生国魂神を御祭神としてお祀りしています。「大寺縁起絵巻」、「伏見天皇宸翰御歌集」といった重要文化財をいまに守り伝えてもいるんですよ。開口神社所蔵の文書をまとめた「開口神社史料」の授与もあり、歴史好きにはたまらないスポットではないでしょうか。
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