芥川商店街・「今城塚古代歴史館」
JR摂津富田駅からバスで10分ほどの場所にある「いましろ 大王の杜」。6世紀前半に築かれた前方後円墳「今城塚古墳」と、その出土品を展示する「今城塚古代歴史館」とがあります。
古墳の周辺は出入り自由。約1kmある墳丘の周辺は、朝夕のウォーキングやランニング、ワンちゃんの散歩コースのほか、親子づれや下校する学生の憩いの場としても利用されています。
今城塚古墳は、学術的には聖徳太子のひいおじいさんにあたる継体大王の真の陵墓といわれています。宮内庁から天皇陵に治定されていないため、日本で唯一、発掘調査が行われた大王墓として貴重な古墳でもあります。
墳墓から出土した埴輪は国内最多の190体以上。神と交信する巫女や武人、力士といった人物をはじめ、躍動的な鶏に馬、国内で十数例しかない牛など動物の埴輪に加え、大刀や盾、神殿や家の形をした埴輪も。特に高さ170cmもある国内最大の家型埴輪は必見です。
当時、埴輪の祭祀区が設けられていたことも調査によってわかっており、現在はその場所を「埴輪祭祀場」として、レプリカが復元配置されています。現物は古代歴史館内で展示されているので、見比べてみてもよいでしょう。
今城塚古代歴史館の特徴は、本物の埴輪をガラス越しではなく、目の前で見られること。しかも、正面だけでなく上や裏側からも見られるように工夫されているため、埴輪の表面に残る職人の指の跡まで見ることができます。
埴輪工場の調査をふまえた埴輪窯の稼働状態がわかるのも興味深いポイント。子どもから大人まで、わかりやすいように細部まで工夫された展示は、無料とは思えない満足度100%の博物館です。