堺駅前商店会・堺山之口商店街・「旧堺燈台」
堺旧港の突端にある白い瀟洒な建築物が、旧堺燈台です。
建築費や器械据え付け費の大半を堺市中からの寄付金でまかない、燈台建築は始まりました。工事を担当したのは、堺在住の大工・大眉佐太郎。光源(ランプ)の光を受けて強めるレンズはフランス製のものを購入し、イギリス人の技師・ビグルストーン氏の手で取り付けられました。こうして1877年、旧堺燈台は完成したのです。
旧堺燈台の光が届く距離は、約18.5km。燈台からは常に緑色の光が放たれていたそうです。その光によって旧堺燈台は、およそ1世紀にわたって堺港を行きかう船の航海の安全を守り続けていました。
時代は流れ、1968年。港周辺の埋め立てが進んだことで、旧堺燈台はその役割を終えます。長く愛されてきた燈台は堺のシンボルの一つとして保存され、日本最古の洋式木造燈台の一つとして、国の指定史跡となりました。
そんな旧堺燈台から南海電鉄・堺駅へ向かって歩いていると、旧堺燈台と、その背後に広がる大海原を見つめるようにして立つ男性の像と出会うかもしれません。
「呂栄助左衛門之像(るそんすけざえもん)」と記されたこの像のモデルは、ルソン島(フィリピン)まで渡り、貿易商を営んだ納屋助左衛門(通称、呂栄助左衛門)です。
旧堺燈台と呂栄助左衛門、海にまつわる2つのモニュメントから、堺の歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。