一寸法師ゆかりの町の歴史を感じさせる商店街
阪堺電車(阪堺電軌阪堺線)の安立町(あんりゅうまち)駅からほど近い安立中央商店街は、隣の我孫子道駅を最寄りとする南側の安立本通り商店街とアーケードを共有する、約300mの商店街です。南北に真っすぐ伸び、年季を感じさせながらも非常に手入れと整備の行き届いた印象を与えます。
安立町の「安立」という地名の由来は、江戸初期に当地に住んでいた半井安立(なからいあんりゅう)という名医であると伝わります。由緒ある土地柄であるとともに、大阪と和歌山を結ぶ紀州街道沿いならではの歴史情緒も感じさせます。商店街北側を散策すると、かつての街道の面影を残す家並みを見ることができます。
商店街のマスコットキャラクター「あんりゅーくん」は、一寸法師にちなんでいます。かつて安立では針を生産しており、当時の行商人たちが針を売るために一寸法師の鬼退治のおとぎ話をうまくPRに利用したのだそうです。そんな経緯から、安立町は「一寸法師ゆかりの町」とうたうようになりました。アーケード内は、刀代わりに針を掲げた「あんりゅーくん」の垂れ幕や看板に彩られています。
安立には、実はもう一つマニアックなポイントがあります。それは路面電車の車庫で、鉄道ファンがときどき撮影に訪れます。東西南北を興味深い歴史文化やスポットに包まれた300mの空間です。
住所 |
〒559-0003 大阪市住之江区安立3 |
---|---|
Web |
インフォメーション
商店街インタビュー
安立中央商店街は15店舗ほどの規模の小さな商店街です。アーケードのメンテナンスなど日々の対応に追われ、なかなか思い切った取り組みまではできていませんが、安立本通商店街と共同で、一寸法師をモデルにしたキャラクター「あんりゅうくん」を作って商店街のイメージアップを図ったり、コロナ禍前にはイベントとして100円商店街を実施したり、できることから色々取り組んでいます。
やはり商店街としてはお客様に来てもらって売り上げに繋がるような活動をしていこうと考えています。安立中央商店街のお店の店主は二代、三代と続いている人も多く、それぞれの業種のスペシャリストでもありますので、「彼らとのコミュニケーション」を活性化に繋げていけないかと模索中です。
当商店街は紀州街道、また住吉大社への参道としての歴史があります。そこかしこに歴史を感じる風景が残っています。また、街のあちこちには昭和レトロな雰囲気も漂っていて、ゆったりとした時間が流れています。これら全部含めて、商店街の風景、一押しスポットだと思います。
お店の店主の皆さんは、二代、三代と続く、それぞれその方面の専門家、スペシャリストです。聞けば何でも教えてくれます。そういうコミュニケーションが商店街の魅力ですから、皆さんぜひお気軽に商店街に遊びに来て、彼らにどんどん話しかけてください。
商店街おすすめスポット
太閤秀吉の時代に整備された住吉街道は、江戸時代には紀州街道となり、門前の安立は住吉詣の参詣道として大変賑わいました。その頃、堺方面から住吉大社に行く際に、まず手前の手洗橋(てあらいはし)で手を洗い、御祓橋 (おはらいばし)で体を清めてから参拝したと伝えられています。またこの地域が「安立」(あんりゅう)と名付いたのもこの頃といわれ、この地に住んだ半井安立 ( なからいあんりゅう ) という名医を求めて人々が集まり、その名を讃えて安立としたといわれています。 また同じ頃、「みすや針」という優れた縫い針がこの地で作られ、安立の名物となります。そして、その売り口上に住吉大社が物語の舞台となる「一寸法師」のおとぎ話が一役買ったと伝わっています。これが、安立商店街が「一寸法師ゆかりの町」と掲げる所以になっています。
この近くにある商店街