天神橋筋四番街商店街・レトロ「西仲珈琲 プランタン」
天神橋筋四番街商店街の近く、JR天満駅の西側にある「西仲珈琲 プランタン」にお邪魔してきました。
コックコートをまとった男性の像に迎えられ、入り口の扉を開けると、ふわりとコーヒーの香りが漂います。カウンターで手を動かしていたマスターが、笑顔で迎えてくれました。店内はシャンデリアが輝き、椅子やソファもヨーロピアン調で、ノスタルジックな雰囲気。店内奥には、ソファー席があります。
「西仲珈琲 プランタン」は1971年に開店。この地で半世紀近く愛され、スタッフとも気さくにおしゃべりできる心地よい場所です。「毎朝来てくださる人もいて、お店で仲良くなる人たちも。まちの憩いの場になれているのかなと思います」と話すのは、オーナーの西仲健治さん。
コーヒー一筋に人生を歩んできた西仲さん。「心斎橋にあったプランタンさんで、焙煎技術を勉強しました。その後もいろいろな喫茶店で修行させてもらいましたね。1970年の大阪万博のときには、会場の近くでも働いていたので、忙しかったですよ」。
その後、地元・天神橋四丁目で「西仲珈琲 プランタン」を開店。お客さんは順調に増え、10坪で始めたお店はどんどん拡大しました。
コーヒーへの想いが熱い西仲さん、「生豆を焙煎して、豆の挽き方も工夫しています。煎りたてより少し寝かせた方が味も深まります」と語ります。
コーヒー以外のメニューへも愛情たっぷり。生クリームは動物性のものを店で泡立てており、サンドイッチなどに使うマヨネーズも手作りです。自家焙煎のコーヒーは、香りが良くすっきりとした後味。「チョコトースト」は、塩気のあるトーストと甘すぎない生クリーム、チョコレートの苦味のバランスが絶妙です。
生クリームがたっぷり添えられたコーヒーゼリーは、シロップとクリームをかけていただきます。ふるふるとろける食感がたまりません。ミックスジュースやレモンスカッシュといったジュース類にも、生のフルーツを使うこだわりよう。最近のレトロ喫茶ブームで、SNSでも評判が広まり、若いお客さんも増えているといいます。
「素材を吟味して丁寧な手仕事を続けたからこそ、たくさんの方に来ていただけているのではないかと思います」と西仲さん。現在は朝のみお店に立っており、こだわりの味は全て2代目マスターが引き継いでいます。
本物のおいしさに誠実に向き合ってきた喫茶店。ぜひ訪れて、昭和レトロな世界観と、こだわりが詰まったメニューをお楽しみください。