平野宮町商店会・「野中山 全興寺(センコウジ)」
大阪市平野区にある全興寺(せんこうじ)は、飛鳥時代、聖徳太子によって建立されました。その由緒あるお寺で地獄と極楽を体験できると注目を集めています。
まずは、本尊に薬師如来が祀られている本堂へお参り。この本堂は、大坂夏の陣で消失したものを再建し、第二次世界大戦の戦火でも生き残った大阪府下で最も古い木造建築物の一つです。
次に「地獄堂」へ。入り口でチケットをかざすと扉が開き、大迫力の閻魔大王が現れ、地獄体験が始まります。銅鑼を叩くと「人をだますと釜ゆでに、盗みをした者は火あぶりに……」と、思わず震える地獄の映像が流れます。
もともとは閻魔堂と呼ばれていた地獄堂。子どもや若い世代に「嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれる」などと伝えられる地獄の恐ろしさを通して命の大切さを知ってもらうため、1989年にリニューアルしたといいます。
地獄体験後は、「地獄の釜の音が聴こえる石」で耳をすませたり、「賽の河原」で石積み体験をしたりして遊び、撮影スポット「赤い糸の縁結び」で記念写真を。仏さまとの縁結びは、高野山真言宗に伝わる儀式です。友達や恋人とツーショットを撮れば、さらにご縁が深まるかも。
極楽である「ほとけのくに」は地下にあり、床は曼荼羅絵で彩られています。水琴窟の音が響く中で瞑想すると、しだいに神聖な気持ちになっていきます。
最後は不動雲海に水をかけて願掛けを。境内では、現代アートのガラス涅槃仏も見られます。お土産も、凶しか出ない「地獄みくじ」や、スマートフォンをかざすと3Dで仏様が現れるARお守り「手乗仏」とユニークです
平野の歴史は全興寺から広がったともいわれ、周辺は今もレトロな街並みです。大阪メトロ平野駅、JR平野駅のどちらからも徒歩約10〜15分。街の散策をしつつ、地獄・極楽体験と参拝に訪ねてみてはいかがでしょうか。