戎橋筋商店街・カルチャー 「なんば広場」
南海なんば駅前に広がる「なんば広場」。
以前はお客様を待つタクシーや、そのタクシーに乗りこむ方々、横断歩道を渡る人々でにぎわっていた場所でした。活気がある一方で歩道の幅が十分ではなく、すれ違うのもひと苦労といった場面もあったといいます。
車道や歩道を思いきって歩行者天国とし、従来の課題を解消。その結果、広場には談笑する人々や大きなスーツケースをもって行き交う人々、待ち合わせをする人々が集うようになりました。ゆとりが生まれ、思わず深呼吸したくなるような気持ちの良い場所に生まれ変わったのです。
広場は、登録有形文化財に指定されている南海ビルディング、現代風の外観を持つ商業施設マルイ、大阪らしさいっぱいの商店街などに囲まれ、好きな景色をバックに記念写真を撮る国内外からの観光客も。
広場のオープンは、2023年11月23日。
「完成を待っていてくださった地域の方々に歓迎していただき、私たちも胸がいっぱいになりました。なぜなら、この計画は15年も前に始まったものだからです」と話すのは、なんば広場マネジメント法人設立準備委員会事務局の北川さんと廣田さん。「関西国際空港から大阪市内へ電車で降り立った国内外の観光客の目に映る、最初の大阪の景色が、今のままでよいのだろうか」との問題意識を持った戎橋筋商店街となんさん通り商店会とが始めた勉強会がきっかけとなり、そこに同じなんば地域の人たちや企業が参画。さらには行政を巻き込んで粘り強い対話を重ね、現在の広場が実現したのだとか。そんななんば広場は道頓堀リバーフェスティバルや、なんばカウントダウンパーティーといったイベント会場としても利用されています。
「なんばは何が飛び出すか分からない部分と、整然としたオシャレな部分、昔ながらの風情漂う部分などが溶けあい、角を曲がれば新しい風景が待ち受けるといったワクワク感のあるまちです。そんななんばエリアを訪れた人には、じっくり楽しんでもらいたい。なんば広場を起点に商店街や御堂筋へ向かった人が、買い物をしたり食事をしたり、遊んだり、笑ったりしてまちを味わい、広場に戻ってまた次の場所へ向かっていく。私たちはそのようなイメージを描いています」
まちの印象にひと役買うのが駅前の広場。その点、なんば広場は公共の空間ですが、大阪なんばの「ありたい姿」を地域住民主体で実現させた場所でもあります。
地域の熱い思いが詰まった広場で、思い思いの時間を過ごしてみてください。