変化し続ける東大阪・永和からはじめる文学旅

近鉄河内永和駅とJR河内永和駅、二つの路線が接続する東大阪・永和。大阪難波方面からもアクセスしやすい駅を出ると、飲食店や喫茶店、サービス店などが点在する一帯に永和駅前商店会が広がる。西には商業の活気で知られる布施、東には大学や文化施設が集まる河内小阪。その間に位置する永和には、どちらとも少し異なる、穏やかな日常が流れている。

この一帯は、かつて市役所などの官公庁が集まる、東大阪の中心だった場所。時代とともに地域の姿は変わってきたが、駅を起点に周辺へ範囲を広げれば、東大阪の文化や学びにつながる場所が次々と現れる。作家・司馬遼太郎の世界に触れられる司馬遼太郎記念館や、大阪樟蔭女子大学内にある田辺聖子文学館、さらに大阪商業大学や近畿大学も身近な存在だ。また、東大阪市をホームタウンとするサッカーチームFC大阪も地域との関わりを深めている[彩田1.1][ア産1.2]。また、冬にはラグビーの全国大会が行われることもあり、近隣のホテルには強豪校が宿泊することが風物詩になっている。

記念館や文学館などの観光地を訪ねたあと、昔ながらの喫茶店でひと休みする。駅前で過ごしている人の日常と、作家や大学が育んできた文化が、すぐ近くにあるのが永和の面白さだ。大きな観光地を次々とつなぐのではなく、そのとき心を引かれた場所をたどりながら、この土地に積み重なった物語を知っていく。布施と小阪のあいだにある一駅。その何げない風景の奥に、まだ知らなかった東大阪が待っている。

この商店街でしか味わえない魅力とは?

永和って、にぎやかな布施と、大学や文化施設がある小阪の間にあるんです。だから、駅前だけで完結させず、その周辺にあるものをつなげられるのが永和だと思っています。買い物だけではなく、文学や大学をきっかけにこの地域を知ってもらうのもいい。にぎやかさとは違うところから興味が広がっていく。そのきっかけがいくつもあるのが、永和ならではだと思っています。

商店街と一緒に巡りたい、おすすめスポットは?

駅前広場で開催しているアンティークマーケットは、ぜひ見てもらいたいですね。雑貨店を営む副会長が、自分のつながりを生かしてゼロからつくった催しで、始まって約2年、25回以上続いています。そこからカフェ「Trustea(トラスティー)」でひと休み。私はここのコーヒーゼリーが好きなんです。そのあと田辺聖子文学館や司馬遼太郎記念館へ向かうのもいいですね。古いものを眺め、喫茶店で過ごし、文学に触れる。一つの目的だけで終わらせず、気になるものをつないで一日を過ごしていただきたいです。

この街らしさを感じられるものや、大切にしていることは?

うちの商店会は、それぞれが好きなこと、得意なことを大切にしているんです。私は大学生と連携した企画づくりを[彩田2.1]担当していますし、女性の副会長はアフタヌーンティー女子会を開いている。それを会長が支えてくれる。「好きやからこそできる」と私は思っています。例えば、食事ならみやこ食堂、焙煎したてのコーヒーならランプサイドロースタリーさんというように、店にもそれぞれの個性があるんですよ。みんなを同じ形にそろえるのではなく、自分の得意なことを持ち寄る。その自然な関係を、これからも大事にしたいですね。

はじめて訪れる方へ、商店街からメッセージをお願いします

私は、今ある永和を紹介するだけではなく、この先どう変えていけるかを考えているんです。その一つが、大学や研究者の方々にこの地域を研究の場として使ってもらうこと。今考えている学術大会では、研究で来られた方が駅前の喫茶店や飲食店を利用し、そこから地域とのつながりが生まれるような形も考えています。一つ実現すれば、また次の可能性につながるはずです。何年かしてまた来てもらったときに、「永和、変わったな」と思ってもらえるようなことを、これから一つずつ作っていきたいですね。

住所
東大阪市永和1 MAP
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