大阪市中央区
大阪の代表的なファッションタウン心斎橋で出会う、新しさと近代建築
大阪・心斎橋の中心部から北へ。長堀通を越えて南船場へ入ると、華やかなミナミの余韻を残しながら、街の表情がゆるやかに変わっていく。アーケードの下には飲食店やカフェ、衣料品店、ドラッグストア、美容・医療など、旅の途中にも暮らしの中にもなじむ店が並ぶ。ここが、約250mにわたって続く心斎橋筋北商店街。「SEMBA MARKET」の名で情報を発信する、心斎橋筋商店街の北側に位置するエリアだ。
商店街の象徴でもある心斎橋は、1622年に商人であった岡田心斎によって架けられたという説が有力で、川の埋め立てにより、現在は陸橋化されている。江戸時代、心斎橋筋は人や物が行き交う商業地として発展し、現在の南船場にも、その積み重ねと現代の都市らしい活気が同居する。御堂筋の高層ビル、新町へ続く一角、船場に残る近代建築。少し方向を変えるだけで、異なる大阪が次々と現れる。
Osaka Metro心斎橋駅から北へ進めば、ほどなくアーケードの中へ。さらに北には、せんば心斎橋筋商店街が本町方面まで続く。店先を眺め、ときには脇道へ。大通りから離れた先に古い建物の面影が現れることもある。2026年6月には南ゲートのガス燈モニュメントも新しくなり、土地の記憶を伝える景観に新たな彩りが加わった。買い物だけで通り過ぎるには少し惜しい。ミナミのにぎわいから船場の日常へ、その移ろいをたどること自体が、ここでの旅の楽しみになる。
この商店街でしか味わえない魅力とは?
心斎橋筋の南側は華やかで、人の流れも大きいですよね。でも長堀通を越えてこちらへ来ると、雰囲気が少し変わるんです。ここは船場の端にあって、御堂筋にも新町にも近い。昔からの商いの記憶がありながら、今の大阪もすぐそばにある。その両方が混ざっているところがおもしろいと思っています。アーケードの照明も白色ではなく暖色系にして、昔の心斎橋につながる空気を意識しました。新しいものだけに寄せるのではなく、もともとこの土地にあるものを生かす。同じ心斎橋でも、南側とは違う表情を感じてもらえたらいいですね。
商店街と一緒に巡りたい、おすすめスポットは?
ぜひ見ていただきたいのは、船場に残る近代建築ですね。たとえば綿業会館。建物そのものに歴史があって、一般の方が中を見られる機会もあるようです。それから又一ビルの壁面も残されています。大通りから少し入っただけで、「こんなところに、こんなものがあるんや」と気づけるのが、この辺りのおもしろいところです。一つの名所だけを目的にするより、建物をきっかけに船場の方まで範囲を広げてみてほしいですね。昔の大阪を伝えるものが、今の都市の中に残っている。その重なりを見てもらえたらと思います。
この街らしさを感じられるものや、大切にしていることは?
昔からここにいる人の感覚は、やっぱり大事にしたいですね。ただ、それだけで決めるのではなく、通行量などのデータも見ています。感覚には感覚の良さがあるし、数字を見ることで初めて分かることもある。その両方が必要だと思っています。綿業会館や又一ビルのように昔を伝えるものがあり、すぐ近くには今の御堂筋があるでしょう。だから、どちらか一方に寄せるのではなく、今あるものを生かしながら、この土地に合う雰囲気をつくっていきたい。長くここを見てきたからこそ分かることと、客観的な数字。その二つを行き来しながら考えています。
はじめて訪れる方へ、商店街からメッセージをお願いします
大阪へ初めて来たら、まずは誰もが知っている場所へ行く。それでいいと思うんです。でも二回、三回と大阪へ来る機会があったら、今度は少し違うところも見ていただきたいですね。心斎橋から少し北へ来るだけでも、南側とは違う雰囲気になるし、船場、新町、御堂筋と、それぞれ違った大阪があります。何かを見なければ、と決めなくてもいいんです。「こんなところもあるんやな」と、自分で気になるものを見つけてもらえたら、それが一番いい。次に大阪へ来たとき、またこの辺りを思い出してもらえたらうれしいですね。
- 住所
- 大阪市中央区南船場3
- 最寄り駅
- Osaka metro 御堂筋線ほか「心斎橋駅」
- SNS
- Web
- https://shinsaibashi.ne.jp/

