【商店街でぷらっと旅気分】 この企画では「商店街で半日遊ぶならどう遊ぶ?」をコンセプトに、お店や周辺の観光スポットをモデルコースとして紹介します。
大阪・ミナミの大都会にありながら、南地中筋商店街には、地域に愛される古刹をはじめ、昭和初期から続く飲食店、浮世絵の美術館など、情緒あふれるスポットがいっぱい。今回は、南地中筋商店街ならではのレトロな風情を味わい尽くすツアーをご紹介します。
インデアンカレー南店
スタートは、1947年にミナミで誕生した大阪を代表するカレー店「インデアンカレー南店」からです。最初は甘く、食べ進めるほどにどんどん辛さが増すやみつきの味わいは、代々受け継がれる秘伝のレシピによるもの。キャベツのピクルスとの相性も抜群です。お肉が2つとルーでごはんがちょうど隠れる特徴的な盛り付けもこだわりで、客前で格好よくかけられるようになるまで、何度も練習を重ねるのだそうです。時を経てツヤを増す木目の壁や、大理石のカウンターに歴史を感じながら、じっくりと味わいます。
法善寺
食事の後は、「法善寺」へお参りしましょう。ここは、400年近い歴史を持つお寺です。境内には甘味処「夫婦善哉」があります。織田作之助の同名小説に登場し、一躍有名になったお店です。お寺の門を一歩くぐれば、漂う線香の香りに古井戸、石畳など情緒がたっぷり。苔むした不動明王に願いを込めて水を掛けるのがならわしです。病気平癒を願う際は、体の悪い部分に水をかけるといいのだといいます。法善寺にはこのほか、海上交通の守り神である金毘羅堂、商売繁盛を祈るお初大神も祀られています。
上方浮世絵館
法善寺のすぐ前には、江戸末期に大阪で制作されていた浮世絵の美術館「上方浮世絵館」があります。大阪の浮世絵は、かつて道頓堀に数多くあった芝居小屋の舞台に立っていた役者の絵がほとんど。躍動感のある演者の姿はもちろん、大道具・小道具、役柄に合わせた衣装など、当時の華やかな姿が繊細な色づかいで描きだされています。そんな浮世絵を間近で見られるのですから、立ち寄らないわけにはいきません。事前に予約しておけば、オリジナルの版木を使った浮世絵制作(摺り)体験も可能。完成品は、いい思い出になりますよ。
アラビヤコーヒー
締めくくりは、昭和26年(1951年)創業のコーヒー専門店「アラビヤコーヒー」へ。山小屋をイメージした店内には、手回しの焙煎機など先代のお宝が飾られ、レトロなムード満点です。開店当時は濃いコーヒーが流行っていたのですが、「自分の飲みたい味」としてマイルドな自家焙煎コーヒーを貫いたとか。お客様に「薄い」と言われても、「お前らの口に合わせていられるか」と言い切ったというのですから、あっぱれな珈琲愛だと言えるでしょう。こだわりのマイルドなコーヒーは、現マスターの奥様が作る昔懐かしい固めのプリンともよく合います。
※おでかけの際は、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の徹底をお願いします。