粉浜商店街 自慢「マネキヤ」
毛糸、手芸用品、洋裁用品を販売するマネキヤは戦後すぐの創業で、かれこれ80年近く続く地元密着型のお店です。店主の釜田峰雄さんの祖母が、問屋から糸を仕入れて同商店街で販売し始めたのが最初でした。昔は物のない時代だったので、とにかく何でも売れたそうです。
戦後に洋服文化が定着し始め、洋裁学校が大流行しました。全盛期は各筋に洋裁学校があったほどだったといいます。当時の若い女性が花嫁修業の一環として洋裁学校に通っていました。釜田さんの父親は、洋裁学校の生徒をターゲットに洋裁用品や手芸用品、生地や材料などの販売を始めました。
約50年前(1970年前後)、釜田さんが同店を継ぎます。ボタンが大好きだった釜田さんはいろいろなボタンを揃えていましたが、この50年でメーカー、問屋が減ってしまいました。
妻の弘子さんは店頭で手編み講習を毎日行っています。弘子さん自身は、毛糸メーカーから直接手編みを教わって技術を学び、今はそれを生かして講師として地域の皆さんに教えています。同店で毛糸を購入した人なら誰でも、自分の作品を仕上げるまで材料費だけで講習を受けることができます。毎日14時から16時までの間、近隣の方々が集まり、楽しくおしゃべりしながら編み針を動かし、思い思いの作品に取り組んでいる姿が見られます。
その和やかな雰囲気は、まさに地元に密着した同商店街を象徴するような自慢できる場所といえるでしょう。