岡町・桜塚商店街 自慢「土手嘉」
原田神社門前町として栄えてきた岡町商店街には、旧能勢街道と旧伊丹街道が通っています。その二つが交差する場所に土手嘉岡町本店があります。神社の北の鳥居の前でもあります。文政9年(1826年)頃創業という歴史ある店です。今の建物は、昭和元年(1926年)に建てられたもので、古めかしい看板をはじめ、その店構えは当時の風情を感じます。
店名の由来は、神社の「土手」(現在は玉垣)の前にあって、店主が代々名前に嘉吉、嘉助など「嘉」の一文字を入れたことによるそうです。
大阪最古のうどん屋とも言われ、地元の人のみならず、遠方からわざわざ食べに来る客もいるほど、多くの人から愛されています。うどん屋のほかに酒造・製麺・製氷をしていた時代もあり、ここでも歴史を感じます。
現在は9代目店主が伝統の味を継承しています。昆布と鰹がきいた、いわゆる大阪うどんの香豊かで深い味わいのある出汁は、何度食べても飽きることはありません。と、ここで勘違いしてはいけないのが、決してうどんだけではないということです。丼物やてんぷら、いなり寿司などの和食をはじめ、中華そばやちゃんぽん、やきめしといった、ジャンルをまたいだ多彩なメニューが揃っているのです。客からのリクエストに応えるうちにどんどん増えていったのだとか。中華そばやちゃんぽんのスープには、自慢の出汁を利かせているなど、丁寧に作られた料理の数々は、そのどれもが優しい味わいと評判です。