地下鉄あびこ中央商店街「上田商店」
商店街のメインストリートから少し路地を入った一角にたたずむ、青果店「上田商店」。祖父の代から受け継がれた創業70年の店で、軒下に色とりどりの野菜や果物がずらりと並ぶ、懐かしい雰囲気の八百屋さんです。以前は、商店街内の中心部に大きな店舗を構えていたそうですが、「もう歳なんで、今はこじんまりやらせてもろうてます」と言うご主人。毎朝4時半起きで市場に仕入れに行き、ご夫婦そろって店を切り盛りされています。
取材時、地元のお客さんから「この甘夏みかん、どうやろ?」と聞かれると、「ちょっと味が落ちてるわ」と正直に答えるご主人。新鮮で低価で、品ぞろえが豊富なだけでなく、親切に何でも教えてくれるから、安心して買い物ができると地元の方から親しまれています。商店街内にある飲食店も、ここで青果の仕入れを行っているところも多く、希少な種類の野菜の注文にも対応しています。
同店の名物は、店主ご夫婦の楽しい掛け合い!宝塚歌劇の役者さんのような華やかな雰囲気の奥様は、とても陽気でほがらか。口数が少なく、飾り気のないご主人と対照的で、ご夫婦の他愛ない掛け合いに、店内はお客さんの笑いが絶えないとか。
「ぜんぜん儲からん仕事やけど、夫婦でケンカしながら、なんとか楽しくやってます。ウチみたいな昔ながらの八百屋は、継承するのが難しくてどんどんなくなってきてる。そんな中でもやって来れたんは、この客商売が好きやからかな」と言葉少なに話すご主人。素朴ながらも、全力で仕事に取り組んでおられる情熱が感じられました。