新京橋商店街「立呑処おかの」池田 幸子 さん
池田幸子さんは、「家庭的でゆっくりとくつろげる」と評判の「立呑処おかの」を、おかみとして切り盛りしています。
同店は令和4年(2022年)で創業60年。長い歴史が誇りです。「オカノ酒店」に併設された、昔で言う「角打ち」という形態の立ち飲み店です。酒店で買った酒を店内で飲むというのがそのスタイルで、安くお酒を楽しめます。
かつては同店でも、角打ちの形態そのままに酒店の中で客が飲んでいましたが、現在は酒店と立ち飲み店の入り口を分け、販売と飲食の間は仕切られています。
池田さんは2代目。「他の客に迷惑が掛かるような客は絶対に店に入れません」という毅然(きぜん)とした姿勢と、「だからお店は混んでいなくて、お客さんは長い時間、お店にいらっしゃいます。店にとっては良いことではないけれど」と笑って語るおおらかさ。そんな人柄が居心地の良い雰囲気をつくり、多くの常連客を引き付けています。
お客さんは酒店の方で、たとえば缶チューハイを販売価格に50円プラスして買って、立ち飲みの方に持っていって飲みます。「安いから余計に長い時間いらっしゃいます」と池田さんは笑いながら語ります。
料理も家庭的なものを心掛けています。煮物やおでん、天ぷらなど、1品150円から。最高でも450円。こちらも安さが魅力です。
店内には20人ぐらいが利用できるカウンター。お客さんが和気あいあいとおしゃべりを楽しむ光景を、池田さんはいつも見つめています。