八幡屋商店街・八幡屋市場「ヤハタヤカメラ」角 教之 さん
たくさんの子どもたちの成長や家族の笑顔を、写真を通して見守ってきた人がいます。「ヤハタヤカメラ」の二代目、角教之さんです。角さんと写真との出会いは、結婚してお子さんが生まれてからのこと。平成4年(1992年)に入社、先代社長のもとで販売から撮影まで、すべてイチから学んだそうです。先代が切り盛りしていた頃に比べ、写真を取り巻く環境は大きく変わりました。かつてはカメラの販売やフィルムの現像を主力事業としていた同店ですが、現在ではそれらに加え、デジタルプリント、スタジオを完備しての写真撮影も行っています。スタジオ撮影では、お宮参りや七五三、成人式の写真撮影をはじめ、本格的な就職活動用の写真や、「元気なうちに写真を撮っておきたい」と終活用に撮影を希望されるお客さんも増えてきたのだとか。
「大切な写真は、ぜひプリントして台紙やアルバムにしてください。例えばデジカメやスマホで何百枚と撮影しても、結局は見返さずに眠っていることが多いでしょう? 大切な人、心を動かされた何かが、保存されているだけではもったいない。形にして残すことは、とても意味のあることだと思うのです。」
インタビューの終盤、角さんに趣味のレスリングについて聞いていると、なんと「万引き犯を掴まえた」経験があるとのこと。「10年程前の話ですが、掴まえたら殴りかかって来たので、後ろから押さえつけて投げ飛ばしました」と、豪快に笑う角さん。愛好家はもちろん、地域の人々に愛される「街のカメラ屋さん」は、すごい技を隠し持つ本物の名物さんでした。