京阪商店街・ブティック「ロビン」 店主 若野 裕さん
昭和27年(1952年)に創業された、ブティック「ロビン」さん。お洒落で高級感のある店内の様子は、ちょっと懐かしい空気も感じさせてくれます。元々はお父さんが別の場所で端布(はぎれ)を売るお店をされていて、その後、縁があってこちらへ移ってこられました。お母さんは縫製やデザインをしていたので、結婚後はオーダーで仕立てをする店になりました。昭和40年代半ばくらい、既製品の波がやってきました。レディメイドの時代、ロビンさんも既製品を扱うお店になったのだそうです。
世の中の経済が後退してくると、どうしても「お洒落」という部分は削られがちになってくる、と店主の若野さん。「いいもの」から「気軽なもの」へと世の中の志向が変わっていく中、新しいお客さんを呼ぶためには商品の展開をリーズナブルなものに移行しなくてはいけない。そういう事情を考えながらも、一方で古くからのお客さんも大切にしたい。価格と品質そしてお店のイメージのバランスをどうすれば良いのか、それをいつも考えておられるといいます。
普段着とお出かけ用の服など、目的がはっきりとしたものに加えて、使い回し着回しができるものもニーズにも合わせて提案していらっしゃいます。ミセスからハイミセス、長く着られるもの、ちょっとでもいいものをちょっとでもお安く、自信を持ってお薦めしていく、そういう思いを持っておられます。
時代の流れと時代により移り変わるお洒落のあり方を、商店街から見つめて地域のお洒落に貢献してきた若野さんは、まさに商店街の名物さんといえます。