旭通商店街・「ニューあわや」店主 石橋さん
旭通商店街の角地にある小ぢんまりとした果物屋さん「ニューあわや」。もちろん果物を売っているお店なのですが、その店先にはなぜか、さつま芋の焼ける美味しそうな匂いが漂います。
ニューあわやに焼き芋が現れるのは、毎年秋から春先にかけての時期です。ガスを使って石を焼いて、その熱でさつま芋を焼く石焼き芋。夜明け前から仕込んで火を入れて、10時過ぎの開店の頃にようやく焼きあがるのだそうです。品種は味にこだわってシルクスイート、蜜が入りつつもホクホクとした食感で食べると幸せな気分になります。
人懐っこい笑顔でお店を切り盛りされている店主の石橋さん。お店の名前の通り徳島県の出身で、この場所でお店をされて30年以上になります。旭通商店街は地域に密着した商店街で、お客さんは地元の方がほとんどです。お話を聞いていると、シルバーカーを押したご高齢の女性がやってこられました。
「バナナある?」「ごめん、今日はバナナないわ。おいもさん焼けてるよ、甘くて美味しいよ」「ほな、それにしとこ」バナナの代わりに焼き芋、そんな楽しくほっこりする会話が自然に成り立ってしまう和やかな空気感が商店街の良さによるもの、そしてもちろん店主さんの人柄によるものです。
こんな和やかな雰囲気も含めて、ニューあわや店主の石橋さんは、まさに旭通商店街の名物といっても過言ではありません。