ハートフル91商店街・「きもの処あだち」店主 足立 次郎さん
藤井寺で生まれ育った人間を、地元では、「デラッコ」と呼びます。お話をしてくれた足立次郎さんは、昭和22年(1947年)創業の「きもの処あだち」3代目という生粋の「デラッコ」。商店街の理事長としても活躍する若手ホープです。理事長就任のきっかけは「理事長印」。商店街の色々なイベントを率先して企画する中、書類に印鑑を都度もらうのが、お互いの手間になってしまうと感じたそうです。こうした小さな違和感が、企画の妨げになるかもしれない。今後何十年も商店街に関わるならば、自分が理事長となってより良い街にしていこう。そんな思いから理事長に立候補。祖父が初代理事長をしていたこともあり、快く受け入れられました。足立さんは商店街だけではなく、地域貢献にも熱心です。着物店の特色を生かし、小学校で「藍染」のワークショップを開催。着物のことだけでなく、子どもたちが商店街を知る機会になればと、熱心に日本の伝統を教えています。
そんな「きもの処あだち」と足立さんの転機は東日本大震災。被災して職を失った女性がいると知り、使わなくなった着物をお客様から引き取り、無償で東北の支援団体に提供。それを被災地の女性らが加工し、販売して現金収入にする循環ができました。「布と一緒に生きているので、古くなった着物を活かして支援ができればという思いでした」と言う足立さん。その活動が地域を越えて広がった瞬間でした。
現在は「女性の着物姿は美しく、男性の着物姿は格好よく」というコンセプトのもと、全年齢を対象に着付け教室を開催。「着物は人生の通過儀礼に関わるもの。着物のことなら何でもお答えいたします」と語る足立さんの表情には、家業への誇りと街への愛があふれています。
そんな素敵な理事長を中心に、ハートフル91商店街は様々な取り組みを進めていこうとされています。