藤井寺一番街商店街「ふじ清」清水さん
藤井寺一番街商店街には、「奥様・お子様の店 ふじ清」というキャッチフレーズを掲げたお寿司屋さんがあります。店主の清水さんはかつてPL学園の野球部で主将を務め、後輩の清原選手・桑田選手(KKコンビ)とともに春夏甲子園で準優勝を飾ったとのことです。大学卒業後も14年間、コーチとして後進を育成していたそうです。そんな店主の背景は、店内に並ぶ球界のレジェンドたちの色紙からもうかがえます。
ふじ清の先代がお寿司屋さんを始めた当時は、客の前で職人がで寿司を握り、客が食べるというのが一般的でした。そのような時代、しかもスーパーやコンビニエンスストアも無い時世にあって「ふじ清」は巻きずし1本から気軽にお持ち帰りできるお店として誕生。持ち歩いた後でも美味しく、なおかつ老若男女問わず喜ばれるようにとシャリは甘めで酸が強くならないようにしていたそうです。こうした気遣いは当代にも引き継がれ、大事にされています。
もう一つ、清水さんが熱心に取り組んでいるのが食育。保育園の園長から依頼を受け、ブリの解体ショーを毎年園児たちに披露しています。ふだん、子どもたちが切り身以外の魚を見ることはほとんどありません。「心臓はどこかな。魚はえら呼吸をするんやで」と、園児たちの身長ほどもあるブリを見せながらの丁寧な説明に子どもたちは大喜び。魚の解体から多くのことを教えられると言います。捌いたブリは、翌日のお昼の給食に。こうした活動にも時間を惜しまず携わっているのです。
現在も、PL学園の教え子やYouTubeを見た野球ファンが店を訪れてくれると言う清水さん。商店街の活性化に留まらず、藤井寺市や子どもたちの将来のために、野球に絡めてできることがあればどんどん貢献したいと熱く語ってくれました。