京阪寝屋川市駅の東側、総延長約250メートルにわたって広がる「ベル大利商店街」。日用雑貨をはじめ、衣服や食料品を扱う店舗や、お買い物の前後にほっとひと息つける飲食店まで、さまざまな店舗が集まっています。
そんな「ベル大利商店街」では、キャッシュレス決済サービスが始まって間もない頃から、キャッシュレスの導入に取り組んできました。
大利商店街振興組合で理事を務める清水章宏さんに聞くと、「ベル大利商店街では、イベントとして抽選会を開催しています。2018年だったと思いますが、その年の夏の抽選会で、PayPayで決済をしてくれた方は、2回抽選にチャレンジできるようにしてみたんです。ご希望の方にはその場でご説明できるよう、PayPayの方にもご協力いただきました」と、教えてくれました。
このイベント以降もキャッシュレス推進の試みを続け、2023年12月時点では、商店街の店舗の約9割がキャッシュレスを導入しているといいます。 清水さんは、「キャッシュレスの普及でスマートフォンの利用頻度が高まれば、SNSなどを使った広報活動も行いやすくなります。キャッシュレスをはじめ便利なツールを活用して、もっと商店街を盛り上げていきますよ」と、今後への意気込みも話してくれました。
そんな「ベル大利商店街」に店を構えて、2024年には10周年を迎えるサイフォンコーヒーのお店「CAFÉ BON VOYAGE」も、早期にキャッシュレスを導入した店舗です。「口に広がる香りや味わいで、コーヒーの木が育った国を感じてもらえる、イメージをかきたてる一杯を届けたい」との思いでカフェを開いた店主の乾裕介さん。キャッシュレス導入の主な動機は、お客様のお支払いの選択肢を増やすことでした。
「少数派ですが、『キャッシュレスができるから』と、カフェにお越しくださる方もいらっしゃいます。お客様の便利につながるかぎり、キャッシュレスは続けていきたいですね」。
続いてお話しを聞いたのは、「ベーカリーカフェ・麦の大地」店長の朝山剛さんです。麦の大地は、朝山さんのお父さんがおよそ30年前に創業したベーカリー。数あるラインナップのなかでも食パンの味にこだわり、小麦粉も特別に配合したものを使っているといいます。
「当店も、早い段階でキャッシュレスを導入しました。当時は社会的にもそれほどキャッシュレスが浸透しているイメージがなかったので、『使う方はいるのかな』と不安でしたが、いざ始めると、ご利用なさるお客様はかなりいらっしゃいました」。
「自分が買い物をする立場なら」と考えても、小銭を持たずにすむキャッシュレスは利便性が高いと考えたそうです。
「選択肢はあればあるほどよいと思っています。導入・継続には手数料がかかりますが、この点は、キャッシュレス決済サービスを提供する会社さんの、今後の工夫に期待したいですね」と、話してくれました。
