昔なつかしさとキャッシュレスの便利さを両立した商店街

石切参道商店街に降り立った若者たちが驚くのが、キャッシュレスの普及率。商店街のおよそ6割の店舗がキャッシュレスを導入し、便利なお買い物の選択肢をお買い物客に提供しているのだとか。

キャッシュレスの普及状況について、商店街理事長・中澄史雄さんに聞きました。

「始まりは、東大阪で使えるクーポンなどを掲載した東大阪アプリでした。このアプリを開発している会社の若手スタッフさんが、『商店街のイベントで、当社のアプリを使ってもらえないか』と相談に来てくれたのです」。

相談が持ち込まれたタイミングは、非接触が推奨され始めたばかりの頃。

「マスクやアルコール消毒液の無償提供をはじめ、商店街としての取り組みは続けたいと考えていた時期でした。その点で、私たちと若手スタッフさんは意気投合。若い意見を取り入れ、十分な感染対策も行いつつ、アプリのクーポンやポイントをお買い物に使えるイベントを企画・実行しました」。

イベントの反応は予想以上。「アプリの利用は難しいのでは」と思っていたご年配の方も、積極的にアプリのダウンロードに挑戦してくれたそうです。

こうして商店街の店主やお買い物客が、アプリとポイントでのお買い物に慣れてきた頃、「東大阪市キャッシュレスdeハッピーポイントキャンペーン」「大阪いらっしゃい!キャンペーン」といったキャンペーンが大々的に行われるようになりました。キャッシュレスで支払いをすると、使った金額の数10%が戻ってくるキャンペーン。

「東大阪アプリと同じような仕組みだね」を合言葉に、店主たちはキャンペーン参加に意欲を燃やし、お買い物客は各種キャッシュレス決済アプリをダウンロードしたため、石切参道商店街のキャッシュレス普及率が高まったのです。

石切 キャッシュレス

そんな石切参道商店街で、昭和から3代にわたって元祖よもぎうどんを提供している「大和屋」は、東大阪アプリとタッグを組み、アプリのポイントやクーポンを地域に浸透させた立役者です。東大阪アプリはもちろん、PayPay、auPAY、楽天ペイほか、キャッシュレス導入を積極的に行ってきました。

「ある日、お年を召した女性が、レジでPayPayのアプリを起動させたのです。聞けば、PayPayに興味はあるけれど、使ったことはない。大手チェーン店では緊張して使えないので、大和屋さんでチャレンジしてみてもいいか、と言うのです。そういった方が、ほかにも数名いらっしゃいました」。

お客様のお願いに対する大和屋の答えは「喜んで!」。アプリ決済に成功したお客様は皆さん、「次からは自信を持って使えます」と、笑顔で帰って行ったそうです。

石切 大和屋
大和屋
石切 大和屋
大和屋

昔なつかしい手づくりの佃煮やお菓子を販売している「大西菓子・佃煮店」店主の大西由美子さんも、「キャッシュレスを教えてほしいとおっしゃる方に、一からレクチャーさせてもらいました」と、話します。

「石切参道商店街は、利用する方の年齢層が高めです。はじめはキャッシュレスを導入しても、効果があるのかと半信半疑でした。始めてみると、『孫がアプリをダウンロードしてくれた』『お買い物をした金額の数10%がポイント還元されるのはお得』といった理由で、年齢を問わず、キャッシュレス需要が高いことに気づいたのです」。

キャッシュレスにはこのほか、思わぬ効果もありました。

「これまでは、お釣りを出すために店頭からレジへ戻っていました。キャッシュレスなら、画面の金額を確認するだけでレジ作業が完了します。お客様をお待たせする時間を減らせた点も、嬉しいポイントでした」。

大西菓子・佃煮店
大西菓子・佃煮店

歴史に育まれた、風情ある石切参道商店街。キャッシュレスをはじめ新しいツールを取り入れながら、さらなるにぎわいを創り出しているこのまちを、ぜひ訪ねてみてください。

石切参道商店街|東大阪・石切【公式サイト】

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