「一つのビルだけが元気になればいいとは思っていません。人とのつながりを大切にしながら、この経験を地域全体に広げていきたい。船場だけでなく、大阪全体が少しずつ元気になる、そのきっかけになればうれしいですね」と、せんびるこどもミュージアム事務局関係者は熱く語ってくれました。

船場センタービルが絵画コンテストを通じて見つめているのは、こうした地域全体への波及効果。高齢化する顧客層が課題となる中、子どもたちが描いた作品は、親世代、祖父母世代をも巻き込み、家族でビルを訪れるきっかけとなりました。優秀作品の展示継続により、何度も訪れる理由が生まれ、世代を超えた接点を持ち続ける仕組みを築き上げました。

「子どもたちがここで描いた絵の思い出が、大人になっても残る」。そうした経験の積み重ねが、ビルに対する愛着と信頼を育てていきます。大人たちが次の世代に、”あの時”の記憶を伝えることで、ビルは単なる商業施設を超えた「地域の記憶装置」へと進化していきます。

第 2 回、第 3 回への継続も視野に、万博という一時的なイベントではなく、その先の長期的な発展に向けて、訪れる人と迎える側の双方に新しい出会いをもたらす、このレガシーはこれからの商店街のあり方に一つの道筋を示しています。
