国分西商店会・道明寺天神通り商店会・カルチャー「カタシモワイナリー」
昔から大阪府柏原市は、生駒山のゆるやかな傾斜を利用したぶどう栽培が盛んです。柏原市にある「カタシモワイナリー」は、明治初期にぶどう栽培を開始し、大正時代にワイン醸造を始めた、現存する西日本最古のワイナリー。そんなワイナリーと直売所は、近鉄安堂駅から歩いて7分ほどの住宅街にあります。
「海外にはぶどうで作ったお酒があるらしい」と、100年以上前に日本の発酵技術を用いて始まったワイン醸造。震災や台風といった自然災害、戦火も潜り抜け、ワインよりもブドウジュースが人気だった時期も乗り越えてきました。第二次世界大戦後しばらくは丹波の杜氏を頼ったり、ワインを仕込む大樽なども自作したり味噌屋や醤油製造所から知恵を借りて試行錯誤し、品質を高めてきたといいます。
人気と実力とを兼ね備えた「大阪ワイン」文化を継承し、特産品として認知度を広めたいと奮闘するカタシモワイナリー。「大阪人のおいしいは、世界のおいしい」を合言葉に、海外のコンクールへの出品にも積極的です。
ワインのほかにはブランデー作りも行っており、2024年にフランスで開催されたヴィナリ国際ワインコンクールに出品した「ジャパニーズブランデー『葡萄華35度』」は、日本のブランデーだけでなく、ウイスキーやジンなども含めて初めて金賞を受賞しました。
たこ焼きソースに合うカジュアルなスパークリングワイン「たこシャン」など、大阪らしいワインも人気のカタシモワイナリー。味がよく、オリジナリティあふれる大阪ワインは外国人にも好評で、ワイナリーのガイドツアーに参加したフランス人が、そのおいしさに驚くほどです。