世界的アートが身近にある、地域密着の商店街

 阪神なんば線千鳥橋駅周辺には、いくつもの商店街が集まっています。そのひとつである此花住吉商店会は、駅から北港通を西へ徒歩約5分、アルファベットで「KONOHANA STREET」と書かれた看板が目印です。
 全長約100mの通路の両側には、70年以上続く老舗をはじめ、飲食店や物販店といったお店が約20店舗並んでいます。開放感のあるアーチ型のアーケードは、雨の日や暑い日でも行き来がしやすく、近隣で暮らす方々がお買い物を楽しむ姿がみられます。
 商店街としては珍しく、全国百貨店共通商品券や大手信販会社発行のギフト券でもお買い物ができる取り組みを、20年ほど前に始めました。『地元のお店でも商品券が使える』と、デパートを訪ねにくい高齢の方を中心に好評で、今も継続されています。

 年金が入るタイミングなどにあわせて、2ヵ月に一度のペースで「ワゴンセール」を実施。通路中央に並べたワゴンいっぱいのお惣菜・菓子・パン・日用雑貨のほか、お得な商品をお目当てにしたお客様でにぎわいます。
 此花区は現在、アートを発信する街として注目を集めています。2023年には商店街からすぐの民家壁面に、 バンクシーにも影響を与えたといわれるイギリス人アーティストのニック・ウォーカーとシーワンのコラボ壁画(ミューラル)が完成しました。こうしたアートを、お買い物の際に楽しむことができます。

住所

〒 554-0013大阪市此花区梅香3

商店街インタビュー

商店街の取り組みや力を入れていることは何ですか?

 アーケードに「商品券が使える商店街」という懸垂幕をかけて、PRにつとめています。以前は近隣の商店街と協力して、100円でお得な商品やサービスが購入できる「此花100円商店街」を開催していました。商店街独自の取り組みとして、2019年にドイツ映画や生演奏を楽しめる「ドイツ博」を開催したこともあります。現在は2ヵ月に一度「ワゴンセール」を行っています。今後も、さまざまな企画を実施して、多くのお客様に楽しんでいただきたいと考えています。

商店街がこれから取り組んでいきたいことはなんですか?

 来日した世界的アーティストたちが壁画を描く企画が行われている此花区は、ここ最近アートの街として広く認知されるようになりました。2019年には講談を中心とした劇場「此花千鳥亭」が商店街にオープン。注目の話題が多くあります。商店街としても地域や行政と協力し、魅力の発信につとめていきたいですね。高齢者も若い方も商店街でのお買い物を楽しんでいただけるよう、人情味のあるおもてなしに力を入れていきます。

お気に入りのスポットや一押しスポット、風景などがあれば教えてください。

 地元の「四貫島住吉神社(しかんじますみよしじんじゃ)」は、“四貫島のすみよっさん”として親しまれ、夏祭りには多くの人でにぎわいます。多彩なイベントも開催されているので、訪ねてみてください。商店街近くの「正連寺川公園」では、パブリックアートを設置する取り組みが進められています。大阪・関西万博のロゴマークや、アーティストの小松美羽さんが手がけた作品「此花水龍」など、アートめぐりを楽しんでいただけます。

読者に向けてのメッセージをお願いします。

 2009年に阪神なんば線が開業し、此花区西九条エリアへのアクセスが一層便利になりました。2025年の大阪・関西万博も、此花区夢洲で開催されるため、今後ますます区に来られる方が増えると期待しています。此花住吉商店街は、昔なつかしい雰囲気を残した味わいがあります。大阪観光にあわせて、ぜひ遊びにいらしてください。此花区の現代アートをめぐりながら、商店街の散策も楽しんでいただければと思います。

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