巨大ガニや巨大タコなど、個性的でカラフルな看板が並ぶ道頓堀商店街。1日平均で約4万人が訪れる、大阪を代表する商店街です。
たこ焼きなど好みのB級グルメを選んで食べ歩くのが道頓堀を楽しむ方法の一つですが、この楽しみには多くのゴミが出てしまう問題がありました。
ゴミ問題をはじめとするまちの課題を解決し、「過ごしやすく、もっと滞在したくなる商店街」をめざす道頓堀商店会は、『道頓堀を“世界に誇る観光地”へ』という目的を掲げる道頓堀ナイトカルチャー創造協議会と連携。4年以上をかけて、道頓堀商店街のアップデートに努めてきたといいます。
2023年10月には、大阪府と連携して、3つの“ほかさん”からなる『プラごみ“ほかさん”観光チャレンジ』を行いました。食べ歩きの街・観光客が多いという道頓堀の特性に合わせたプラごみの3R(リデュース、リユース、リサイクル)を促進する事業で、観光客の方々は、たこやきを購入した際にリユース食器を選ぶことができたり、ペットボトルを捨てる際にキャップ・ラベル・本体の3つに完全分別を促すリサイクルボックスも設置されました。
昔からゴミ問題に悩まされてきた道頓堀商店会。ゴミを捨てられないようゴミ箱を設置しないという後ろ向きな話をしていた時代もありましたが、万博を前にそんなレベルの会話をしてはいられません。チャレンジを通してCO2削減や資源循環に取り組もうという意識で、この試みが実施されました。
食べ歩きの代名詞、たこ焼き店の一つとしてリユース食器の取組に参加した「くれおーる」の社長で道頓堀商店会副会長の加西さんも、「使い捨て容器によるたこ焼きの提供は、ごみの排出につながっていると認識していた。引き続き、削減に向けた取り組みを実施していきたい。できるなら、他店舗とも協力して取り組んでいきたい」と話してくれました。
チャレンジと並行して実施したアンケートでは、「リユース食器を選んだ理由」として、約8割の方が「環境に配慮しているから」との回答を選んでいます。また、「今後ペットボトルは、キャップ・ラベル・本体の3つに完全分別しようと思う」と回答した方も、8割を超えました。人々の環境への思いを数値化できた点で、今回の取り組みは堅実な一歩になったといえます。
ゴミ問題解決に加えて、ICT×観光や、エンターテインメントコンテンツ開発などにも力を注ぐ道頓堀商店会。今後もさまざまな取り組みを実施し、そのたびに商店街は、ますます“おもろくて、安全で、居心地のよいまち”となっていくはず。道頓堀商店会の次のアクションが、楽しみでなりません。