茨木阪急本通商店街・カルチャー 「おにクル」
茨木市役所の向かいにオープンした茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」を訪ねました。 おにクルは、茨木市民のアイデアも取り入れて完成した公共施設。なかには図書館やこども支援センター、市民活動センター、大小のホール、プラネタリウムなどが集まっています。その名前は茨木市に伝わる民話「いばらき童子」にちなみ、「怖い鬼さん(いばらき童子)も楽しそうで来たくなっちゃうところ」という意味がこめられているのだとか。
ガラス張りの建物の1階には、広々としたエントランスホール。館内のカフェで購入したドリンクを飲むなど、思い思いにくつろぐ人が多く見られました。
おにクルは7階建ての建物です。「縦の道」という各フロアを貫く吹き抜けにはエスカレーターがあり、ぐるりとフロアを回遊して次の階に行けるつくりとなっています。
それでは、1階から上へと上がっていきましょう。
2階は、主に子育て支援のフロアです。子育て関連の相談窓口を備えるほか、「えほんひろば」にはたくさんの絵本が揃います。テラスにある「おはなしのいえ」では、おはなし会を開催しています。子育てフリースペース「わっくる」の壁には、「ワンダーウォール」という、ふれると動く作品が映し出されていて、子どもたちは大はしゃぎ。
3階と4階は、演劇や音楽のゾーン。3階には音楽やダンスなどに利用できる貸スタジオ、4階にはゴウダホールという約1,200名が入れるホールがあり、交響楽団や人気アーティスト、歌舞伎まで、さまざまな公演が予定されています。
5階と6階は、図書館「おにクルぶっくぱーく」。5階と6階をつなぐ階段には腰を掛けるスペースがあり、そこで本を読む人も。もちろん、テーブルや椅子も完備されています。
7階の「きたしんプラネタリウム」では、季節によって投影内容も変わり、4人の個性あふれる解説員が、宇宙や星についてのお話を届けてくれます。
フロアごとにさまざまな仕掛けやコンテンツがあり、上下階への移動も楽しいおにクルは、いわば「立体的な公園」です。各フロアにテラス席があり、読書ができるのも嬉しいところ。オープンしてから毎日たくさんの人が訪れ、1ヵ月も経たずに来館者10万人を突破しているのも納得です。
おにクルの設計に携わったのは、世界的に著名な建築家・伊東豊雄氏。建物の南側壁面の光のアートは彫刻家・名和晃平氏、「おはなしのいえ」のデザイン監修はスタジオジブリの背景美術を手がけた画家の井上直久氏と、デザインやアート面でも注目の施設なのです。
施設運営を担当するゼネラルマネージャーの河合悠介さんは、「1階のオープンスペースでは、展示やマルシェをしたり、紙芝居やヨガをしたりと、使い方は自由です。隣接するきたしんホールは一つの面がガラス張りなので、何が行われているかが外からも見やすく、新たな交流も生まれるはず」と、言葉に期待をこめます。
おにクルの盛況には、近隣の商店街もひと役買っているとのこと。広報担当の押田悠さんが、「特に茨木阪急本通商店街は阪急茨木市駅とおにクルをつなぐ存在。商店街内にのぼり旗を立てて、盛り上げてくださっています」と、教えてくれました。
茨木市市民文化部共創推進課の曽根崎俊さんも、「見所がたくさんある施設なので、何度も訪ねてお気に入りスポットを見つけてくださいね」と話します。
今後、さまざまなイベントや催し物が企画されているおにクル。ぜひ、遊びに行ってみてください。