石切参道商店街・体験 「河内木綿はたおり工房」
近鉄奈良線・石切駅から、石切参道商店街に入って徒歩約5分の場所にある、「河内木綿はたおり工房」。
窓越しに見える機織り機に、期待をふくらませながら玄関をくぐると、綿繰り機や糸紡ぎ機、卓上織り機を使う女性たちが、「いらっしゃいませ」と声をかけてくれます。立ち上がり、膝をついて迎えてくれたのが、工房代表の中井由榮さんでした。
「河内木綿はたおり工房」は、河内木綿づくりの工程を体験できる珍しいスポット。観光客はもちろん、全国の小中学校、高校などから体験申し込みや、出張授業依頼の問い合わせが頻繁に寄せられるといいます。
綿繰り機に綿の実をセットしてハンドルを回し、綿と種とを分ける綿繰り体験。
糸紡ぎ体験では、繊維をほぐしてなめらかにした綿を糸紡ぎ機でよりあわせ、糸にしていきます。
「糸ができたら、いよいよ布を織る工程です。足も使う機織り機は使い方が複雑ですので、織り体験としては、卓上織り機を使ったコースターづくりを提供しています」。
縦糸の間に横糸を入れる作業を繰り返すと、次第に織ができていきます。10cm四方の大きさに織りあげ、縁飾りをつけたらコースターは完成。
「藍染めと、20人以上の体験についてはご予約をいただきたいのですが、少人数での体験ご希望には、当日のお申込みにも対応させていただいています」と、中井さん。
お話しを聞いている途中でやって来たお客さんも、早速当日申し込みでコースターづくりを楽しんでいました。
河内木綿という産業を後押しした大和川付け替え工事。
工事後300年の節目を記念したイベントで河内木綿の原料となる綿と出会い、中井さんは河内木綿の伝承に奔走することとなります。
活動を認められ、東大阪文化創造館の大ホールを飾る河内木綿ウォールの制作を依頼された出来事は、中井さんをはじめ「河内木綿はたおり工房」メンバーの大きな自信となりました。
「河内木綿づくりには、布を染めるために使う型紙と、染め職人の力も必要です。河内木綿だけが元気になるのではなく、職人さんと力を合わせて“ほんまもん”の河内木綿を完成させる、その連携ごと次の世代へ残していきたい。そのために、これからも努力していきます」。
穏やかに、力強く、中井さんは未来の展望も語ってくれました。
*体験講座一覧*
綿繰り 無料 ※お渡しした種から育てた綿の実をお持ちの方は、ぜひお持ちください。
糸紡ぎ 700円(税込)
コースター作成 700円(税込)
藍染め ハンカチ染め600円(税込)/ストール染め2,500円(税込)
機織り講座 1回(3時間程度)×5日間 各回15,000円(税込)
※機織り講座以外の体験については、所要1時間ほどをご予定ください。
※藍染体験ご希望の方、20名以上など団体での体験ご希望の方は事前にご相談ください。