香里駅前通商店街・「フラワーはなひで」大原 崇さんご夫妻
香里駅前通商店街は、もともと駅前エリアにできた郊外型のスーパーマーケットと駅の間沿いに生まれた商店街でした。そしてそのスーパーマーケットの真ん前にあったのが「フラワーはなひで」。先代が創業されて、以来40年余り。スーパーマーケットの撤退後にはマンションが建ったので、現在フラワーはなひでは、香里園駅からマンションまで続く商店街の一番奥に位置することになりました。
明るく開放的なお店をご夫妻で切り盛りされている大原崇さん。取材当日もお店では、お二人揃って注文品のフラワーアレンジメントを作っておられました。また、お話を伺っている間にも、通りがかりのご高齢の男性がふらっと寄られて、店頭の鉢植えなどを買い求める姿が見られました。地域の生花店として、また「花キューピット」という全国ネットワークでの販売なども併せて、この場所に根付いておられるということが感じられます。
以前は早朝に卸市場まで出向いて商品の仕入れをされていたそうですが、コロナ禍以降はネットでの入札に変わったそうです。夕方にネットで競り落として、翌日引き取りに行く。ある意味身体は楽になったとも言えますが、「現物を見るんやなしに、画面で見極めないといかんでしょ。なかなか難しいです」とおっしゃいます。なるほど、情報量の少ない画面で判断するためには、より確かな見極めの力、長年の経験が必要になります。日々の暮らしでお花を買う人は、以前と比べて少なくなったといいます。しかし、喜びごとやお供えなど、暮らしの節々で必要になるお花。また、贈り贈られて飾られるお花。受け取られた人の笑顔を思って、仕入れられているそうです。
駅前の商店街の生花店として多くの人々の生活に寄り添い、商店街や地域の移り変わりを一番近い場所で見届けてきた大原さん。商店街の歴史を知る、まさに名物さんです。