粉浜商店街・自慢 宇治茶専門店「寺田園茶舗」
「寺田園茶舗」は、創業100年を超える宇治茶の専門店で、平成25年(2013年)に同商店街に出店しました。寺田園茶舗の3代目・寺田均さんは、「宇治茶の専門店は、おそらくですが、大阪で唯一だと思います」と言います。
宇治茶の生産量は年間約3,000t。これは日本茶全体のわずか3%です。一般的に販売されている宇治茶は他の産地のお茶をブレンドしたものがほとんどですが、同店では100%京都産茶葉で、木津川上流にある緑豊かな和束(わづか)で採れたものだけを袋詰めして販売されています。京都産茶葉100%の本格宇治茶各種のほか、鹿児島煎茶、佐賀嬉野茶、福岡の八女茶なども取り扱っています。「ペットボトル茶の浸透で、昨今はますます「お茶離れ」に拍車がかかり、急須のない家庭も多くなっています。一般家庭でお茶を入れて飲むという行為は特別なことになりつつあります。私は、家庭で当たり前のようにお茶を入れる日常を無くしてしまいたくないと思っています」と寺田さんはお茶への思いを語ります。だからこそ、茶葉を販売するだけでなく、全商品の試飲ができるようにしたり、それぞれのお茶が一番おいしく飲める入れ方を丁寧に伝えたりして、一般の方々とお茶との距離が少しでも縮まるよう、日々努力されています。
失われつつある何気ない日本の日常を守りたい。その思いは地域に密着した同商店街の姿と重なる、商店街の自慢です。