ナインモール九条 ・「サロット 」店主 安田和志さん
九条の辺りには若手の芸人さんが多く暮らされているといいます。これから売れようという地元の芸人さんが、ごく自然にテーブル席でネタを書いていたりする、そんなお店が「サロット」です。
昭和57年(1982年)開店、現在の店主安田さんは二代目です。高校まで野球をされていたそうで、以前大阪ドームに観戦に行ったときに、客席に飛び込んできたファウルボールを素手でキャッチしたという逸話の持ち主。「(開店した)あの頃は近鉄と広島が強かった時代でね」と、話は自然に野球に向かいます。
元々近鉄ファンで、しかもここは本拠地球場が近いナインモール商店街ですから、もちろんオリックス推しです。
そんなサロットに、ある日ふらっと訪れたノルウェー人の男性は、まるでヨーロッパのサッカー人気のような日本の野球熱に驚いたといいます。そしてそれから通ううちに、どんどん野球が好きになって、もちろんバッファローズファンになっていったのだそうです。「その人が作ってくれたんですけど、これ、ラテアート用の型なんです」と見せてくれたのは、バファローズの「B」の形の金型でした。
ノルウェーにも一人、オリックスファンを誕生させてしまった。商店街を挙げてオリックス推しのナインモール九条を代表するようなお店、ということですね。
そしてその証の「B」は、お店でラテを注文するといまもカップに浮かんでいるのです。