堺東商店街「高砂屋」店主・高岡正さん
たくさんの細い筋に庶民的な居酒屋が並んでいます。そのうちの1軒「高砂屋」では、85歳の店主・高岡正さんが元気いっぱいでおもてなししてくれます。この場所にお店を出したのはちょうど50年前のことでした。
「酒屋さんから、これからは立ち飲みの時代だと言われ、立ち飲みから始めました。当時立ち飲みはわずかしかなく、出すならこの筋だ、とすぐに決めました」と高岡さんは出店当時を振り返ります。5階建てのビルですが、現在は1階のみを居酒屋にしています。
「私がここまでやってこられたのは、自分で『これだ』『こうしたい』と思ったら迷わず即決・実行する決断力があったからだと思います。これには自信を持っていますし、私の大いなる長所だと思っています」と言う高岡さん。以前は2階から5階を宴会に対応できる座敷にしていましたが、歌える場所がほしいというお客さんの声を聞いて、すぐに5階をラウンジに変えたこともありました。今は株にはまっているという高岡さん。持ち前の決断力をフルに使って、かなり調子がいいとか……そこはぜひ秘訣を伝授いただきたいものですが。
「あまりお金に余裕はないけど、汗水垂らして働いた後に仲間でパーッと飲みたい、という人たちに来てほしいので、手づくりで安い大衆料理しか出さない、と決めています」と高岡さんは語ります。高岡さんの朗らかな人柄にひかれて、今日ものれんをくぐる人たちがたくさんいます。