加賀屋商店街 「神谷商店」神谷セツ子さん
御年91歳の神谷セツ子さん(令和4年(2022年)現在)は、加賀屋商店街の中で最も老舗のうちの一つ、「神谷商店」だけでなく、商店街の代表的な存在です。酒類を販売する店の一角にあるたばこ売り場が神谷さんの定位置。窓口に座って往来を見つめる姿はすっかり商店街の名物。
昔の写真を見ながら神谷さんは、「この地に初めて公設市場ができたのを機に夫の父が店舗を構え、昭和28年(1953年)頃から、店を継いだ夫と共にずっと商売を続けてきました」と記憶をたどりつつ語ります。
「昭和30~40年代は、この辺りの人口がすごく増えて、商店街は人でごった返していました。木津川に造船所があって、工場もたくさんあり、働く人たちと家族が住む社宅も近所にたくさんありました。それはもうものすごい忙しさで、住み込みの従業員も雇っていました」。
たばこ販売は55年ほど前から副業のような形で始まりましたが、今では神谷さんがほぼ一人で仕入れから接客までこなします。全く年齢を感じさせないきびきびとした仕事ぶりには感服します。「店頭で毎日いろんな人と話すでしょう。それが元気の一番の秘訣」と神谷さん。いつもの場所に座る神谷さんの姿は商店街に安心と癒しをもたらしているに違いありません。