心斎橋筋北商店街 自慢「法善寺あられ」
日常のおやつや大阪土産として、多くの人に愛される「法善寺あられ」。大正9年(1920年)の創業当時は珍味を扱っており、後にあられとおかきの専門店になりました。
滋賀県の契約農家から仕入れるもち米を含め、オリジナル商品はすべて国産もち米を使用。玄米から仕入れて出石にある自社工場で精米し、粒のまま蒸し上げて杵でついています。
ベースの工程は同じですが、「種類が多いので、商品によって職人が手作業で焼き加減を変えています」と河原巧二店長。ラインナップが実にバリエーション多彩で、選ぶのに迷いそうな場合は、各商品の味やかたさの特徴を5段階で示しているプライスカードを確認することで、自分好みのものを見つけやすいですよと教えてくれました。
食べるとどこか懐かしさを感じさせる魅力があるあられやおかき。「実は大阪出身の作家、開高健さんの『一粒の大阪』という随筆にも、『海外には法善寺あられを持参する』と書かれています」と河原さん。
「一粒の大阪」というタイトルで書かれたその随筆の一節を、ミニパンフレットにして商品に添えていた時期もあったそうです。そのミニパンフに掲載されていた随筆の締めくくりの1文「いつまでもありますように」とあるように、作家にも愛された法善寺あられは、これからも丁寧に誠実に作られ続け、心斎橋筋北商店街で愛され続けていくことでしょう。